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あらゆる属性を超えた存在
なるほど、神様とわたしという関係がなくなって、その代わりの監督役についたのが、自分を見つめているもう一人の自分、つまり「本当の自分」だったのだ。でも、わたしの中にある「本当の自分」、と考えるとあまりに観念的に聞こえるため、抵抗があるかもしれない。しかし決して「頭でっかちな自分」で終わる話ではない。
エステのコマーシャルでね。エステに行った娘がナオミ・キャンベルになって帰ってくるというのがあったでしょう? あれを誰もが誇大広告で訴えようとしなかったのは、日本にどんなスタイルのいい子がいたとしても、ナオミ・キャンベルになって戻ってくるというのは、ありえないことだとわかっているから。
あのCMで、美しさを望んでいるのは「本当の自分」だから、性別・国籍・人種など関係ない。イメージとしてはナオミになれるわけだし、極端な話、男になったって構わないわけです。だからあのCMの本質は「あなたの見かけだけじゃなくて、本質を美しくする」というコマーシャルだったと、僕は思っているわけですよ。
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