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日本版401k導入の善し悪し
比較的新しい制度と言える日本版401kの導入は、助け合いの制度が色濃く残るこれまでの日本の社会にどういう影響を与えるのだろうか。
日本版401kの導入は、むしろ若い人や女性には非常にいい制度なんです。やや専門的になりますが、今までは給付建ての退職金・一時金で、中高年の長期勤続の男性だけを優遇する退職金制度でした。401kは掛金建てですから、若い人や女性にとってもメリットのある年金、退職金に変わります。転職の際に持ち運ぶこともできますから。まあ上手に運用できるかはまた別問題ですが。
ところで、株式は上がっているときは楽しいですが、下がりだしたときにはいつ売るかというのがすごく難しい。そういう意味では、欲が深すぎる人はダメなんです。
たとえばオレンジ共済とか、クレスベール証券とか、不祥事が連続していますが、定期預金の金利がゼロに近い時に、「私に金を預けたら10%の利子を付けます」と言う人がいたとしたら、その人はインチキを言っていると考えるほうが常識です。10%で回せるなら、他人に言わないで自分でたっぷり金を借り、投資して儲ければいいのですから。ところが欲が深すぎる人は、10%だと言われると、飛びついて、結果的に騙される。これは業というか人間の悲しい性みたいなものですよね。
だから401kでもこれから不祥事は起こると思います。ただ、今は全体として株価は低く、長期的に見れば上に行く可能性のほうが高い。ですから、始める時期としてはそんなにまずくない。ただ手数料が高すぎるので、個人がやる気にならない。金融機関はその手数料稼ぎのためにやっているわけです。
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