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マスコミはいつも暗い方向に話を持って行こうとするというのも本当かもしれません。 月曜日の株価は、東京は休みでしたが、香港、ロンドン、ニューヨークといずれもかなり反発しています。つまりは10月初から先週末にかけての各国財政当局および中央銀行の「決意表明」に金融市場もポジティブに反応したということでしょうか。 もっともこれでホッと安堵のため息をついていいのかどうかはまだ分かりません。もともとこの金融危機は、アメリカの住宅バブルに端を発しています。その住宅価格の値下がりが引き金を引いたのですが、まだ住宅は下がっています。すでにおしなべて20%ほど下がったようですが、まだ後10%程度は下がると言われています。 それに国際通貨基金(IMF)の推定では、この金融危機の損失は1兆4000億ドルといいますが、これまでに償却された金額は7600億ドルだといいますから、まだまだ損が表面化するということになります。 問題はアメリカの地域金融機関の破綻が予想されていることです。今年から来年にかけて100行ほども破綻するとされ、この預金保護(限度額は先日の金融安定化法で10万ドルから25万ドルに引き上げられた)の資金が足りないのだそうです。そうなったらまた税金から資金を投入しなければならなくなります。こうした不安要因がすべてなくなるまでにどれぐらいの時間がかかるのか、それは誰にもわかりません。
日本の金融機関が直接的に影響を受けることは少ないのではないかと思っています。大和生命は破綻しましたが、もともとアメリカの「進んだ」金融派生商品にそれほど手を出していなかったからだと言います。
それでも日本経済全体に対する影響は決して小さくありません。アメリカの銀行が融資を制限すれば、当然、商品は売れなくなります。GMを始め、自動車会社が苦況に陥っていることがまさにそれを象徴しています。アメリカ経済を支えてきたのは消費者であり、しかも借金しての消費でしたから、これからしばらくはアメリカの消費者は支出を抑え、節約せざるをえなくなるでしょう。中国やインド、それに日本などからの輸出も当然減るはずです。
世界恐慌になるかどうかは何とも言えませんが、今度からは「オオカミ少年」と言い切ることも難しそうです。
さて、マスコミは連日、金融危機について大きく報道していますが、皆さんは「信頼できる情報」をどこから取っていますか。新聞? テレビ? インターネット? 雑誌? 日本のもの? 外国のもの? 具体的に教えてください。
藤田正美 『ニューズウィーク日本版』元編集主幹 |
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