ノブレスオブリージ、いいですね。所得税率がフラットではなく、累進になっているのは、成功した人がより負担するというノブレスオブリージの精神があるのでしょう。その精神を生かすとすれば、やはり「辞退」よりも「寄付」を促すような仕組みがほしいですね。米国では、所得税の申告のときに、「大統領選挙への公的支援」にチェックする欄があったと思います。地方自治体の職員は給付金の事務作業で忙殺されそうだというコメントもありました。「寄付」の仕組みを入れようとすると、その作業のしわ寄せは、自治体の職員にくるのでしょうから、泥縄ではダメでしょうね。
輸入品を買う経済効果は、というコメントがありました。国内総生産(GDP)計算では、交易の悪化(輸入増・輸出減)はマイナス要因ですが、流通過程での付加価値(サービス)はプラスになるはず。「バイ・ジャパニーズ」にこだわらなくてもいいと思います。経済的な裾野が広い産業といえば、数多い部品の集積である自動車や家電品、カメラなどを思い浮かべます。ただ、給付金の規模では、頭金にもならないかもしれません。
「貯金」とか「使わない」といったコメントもありました。経済効果という面では、「国策」に反した行動になるのでしょうが、愚策を重ねる政府に文句を言われる筋合いはありません。米国が金融危機をきっかけに一気に消費不況になったのは、貯金がなく借金で買い物を続けていたため、信用収縮が起こると、消費できなくなるからです。やはり貯蓄は美徳です。
さて私はどうしましょうか。定年後嘱託のような身分で高額所得者どころではないので、しっかりいただいて、孫たちのために使いましょうか。だいたい、いついただけるのかもわからないし、何をするにしても釈然としませんね。
まだ法案も出ていないようですから、変更は可能です。もし振り出しに戻り、「2兆円の景気対策」をあらためて考えるとしたら、どうしますか。あなたが財務大臣なら、どんなアイディアを出しますか。
高成田享 朝日新聞石巻支局長 |
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