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日本ではまだ海外に比べ認知度が低いと言われているPMSですが、現在のところ、約9割の方がご存知のようです。ここ数年、女性誌などでも頻繁に取り上げられておりますので、次第に関心が高まってきているのかもしれません。
月経前には、誰でも心身の不調が現れやすいもので、症状の軽い方も含めると、月経のある女性の約8割がPMSを経験していると言われています。月経前に体調の変化が現れることは、排卵を伴う正常な月経がある女性にとっては、ある意味、正常なホルモン分泌がなされている証拠でもあり、誰にでも起こりうる症状です。しかし、それらの身体や心の症状が強く現れ、日常生活になんらかの影響を与えるようになった時にPMSとして問題となります。
今回の投稿をいただいたみなさんが経験されている症状としては、身体的な症状では、眠気・食欲増加・頭痛・肩こり・下腹部痛・微熱、精神的な症状では、イライラ感・攻撃的になる、などがあるようです。おそらく多くの方が、そうそう、とうなずける症状ばかりではないでしょうか。
これらの症状を引き起こすPMSの原因はまだ完全には解明されておりませんが、現在考えられている原因としては、1.黄体ホルモンの影響、2.脳内物質(βエンドルフィンやセロトニンなど)の低下、3.ビタミンやミネラルの不足などが考えられています。しかしながら、同じホルモン環境であっても、どうして症状が軽い方、治療が必要なほどまでに症状が強い方がいるのか、など分からないことが多くあります。
PMSの症状は非常にさまざまで、身体と心にいろいろな変化をもたらします。そこで、今回は、まずPMS症状の中でも、特にみなさんが感じておられる月経前の身体面での変化・不調と、その対処法、どのように上手く乗り切っているか、をうかがいたいと思います。Perlaさんのように、月経前にはなるべく日程調整可能な会議などは避けるようにするなど、みなさんが努力されているPMSとの上手なつきあい方などを教えてください。
鈴木美香 医学博士・産婦人科医 |
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