わたしの起業人生

「どうして起業したのですか？　」よくそう聞かれます。そのたびに、良い答えを探してはみるのですが、なかなか相手が求めるような返答ができません。なぜなら、わたしは「起業したい」と思って、会社を起こしたのではないからです。「会社を作るなんて大変そう。お金もかかるし、事務手続きもあるし。このまま個人SOHOで仕事をしているほうがいいんじゃないかしら」というのが、本音だったのです。

では、そんなわたしがどうして起業を決意したのか？　それは、きっとYasuminさんのいう「水槽のサイズをちょっと変えてみようかな」と思った、小さな「きっかけ」だけかもしれません。自分の身の丈を知り、生きることも大切なことです。でも、「ちょっと背伸びしたいな」と思った瞬間、ちょっと周りを見渡してみましょう。自分を応援してくれる人がいませんか？　自分がやってみたいことがありませんか？　などとちょっとまじめに始まってしまいましたが、わたしが「起業」という大きな海に飛び込む「最後の一押し」は、実は母の言葉でした。「あんたには商売人の血が流れてるから、大丈夫や」。

わたしの祖父は、丁稚奉公からスタートし、苦労して会社を作りひと財産を築きました。「わしは松下幸之助と同じ商売をしとった。向こうが大きな会社になって、うちが小さな会社で終わったのは、人を使うのが下手やったからや」。真偽のほどはわかりませんが、祖父はいつもそう言っていたそうです。そうか。だったら、私もちょっとがんばってみるか。わたしの起業人生は、そんな「思い」からスタートしたのです。明日は、起業の大変さとおもしろさについてお話したいと思います。