
子どもの声に耳を傾ける(kaho・既婚・36歳)
子どもの年代によって、子育ての話をする相手を求める強さも変わっています。初めての子どものときは、何もかもが未経験。母親1年生ですから不安だらけでした。しかも新しい土地でスタートした結婚生活でしたから、身近に頼れる友人を作っていくことが大変でした。パートナーは仕事仕事で、ほとんど家にいませんでしたし、深夜の帰宅で育児の相談をしても、中途半端な返事しか返ってきませんでした。頼っていたのは、育児書と親、友人。電話ばかりの日々でしたね。地域にあるサークルを探し出す余裕が出るまでが一番苦痛でした。幼稚園に入ると、同じ環境の母親のつながりができますので、パートナーより、母親同士の交流の中で、さまざまな問題をクリアしてきました。しかしながら、子どもを介しての付き合いは、別の問題も発生するので、母親の先輩に聞くほうがいいときも多いです。
二人目は、経験済みの慣れと余裕で接し方もずいぶん違います。母親に余裕があれば、子どもはのびのび育つと実感しました。パートナーの意識次第で最初の子育てから、この余裕を持つこともできると思います。また、子どもと同じ感受性を親が持つことで、子どもの気持ちがより理解できます。自分が子どものとき嫌だったことは、子どもにも言いたくないと思っています。顔を見れば勉強の話しかされないと、親の顔も見たくなくなりますよね。子どもは親に話したいことを、本来たくさん持っていると思います。大人にすればたわいもない小さなことであっても、その小さなことに耳を傾けることが大切なんだと感じます。
ネットで意見交換をすることも(たね1号・東京・32歳)
結婚6年目です。近所の方とのお付き合いがあまりないので、保育園の保母さんに何でも相談します。そのほかではインターネットの「楽天広場」の子育てのカテゴリーで、意見交換できる人を見つけて話したりします。そんなにドライな感じもせず、自然と話せますよ。
地域との交流はこれから(職業指導官・大阪・パートナー有・37歳)
今は子どもたち2人とも小学生ですが、0歳からそれぞれ保育園に入れていました。保育園はとてもよく、3歳未満児クラスまでは毎日連絡帳を書き、困ったことなどは相談に乗ってもらったりしていました。また、うちの職場は現役ママ、先輩ママでいっぱいなので、いくらでもアドバイスをもらえました。働いていると、近所の人との交流は少なくなります。仕方のないことだと自分では割り切っています。今、次女は学童保育に行っており、この子を通じてどうしても父母会行事に参加しなければいけません。地域とのつながりはこれからです。
海外での育児を振り返って(mirano・埼玉・51歳)
わたしの子育ては、夫の仕事の関係で海外でした。日本から医学書、育児書を買い込んでの出産でした。子どもたちは育児書で育ったといってもいいくらいです。もちろん夫の協力がなければできませんでしたが、とにかく本を読みました。「こうなったら……あっ、そうなんだ」という具合に。ときどき、わけもなく悲しくなったりして涙することがあったのを思い出します。子どもは何かあればお医者さまが助けてくれますが、わたしを精神的に支えてくれたのは夫でした。仕事に追われる毎日でしたが、出産の時のうれしそうな夫の顔、「ありがとう」と言ってくれた夫の顔を思い出していました。
仕事が忙しい夫、でも相談相手になってほしい(しょうっち)
一度、引越しを経験しました。引っ越した当初はとっても不安でしたが、すぐに友人もできて、相談する相手もできました。加えて、引っ越し前の友人ともつながっているので相談相手も二倍に。ただ、夫がもう少し相談相手になればと思います。夫の会社は人員整理とかで仕事が二倍、三倍になっており、この状態で男性にも育児休暇を! というのは難しいことです。
先輩ママのアドバイスは貴重(kaym・埼玉・43歳)
子育てで参考になったのはなんといっても先輩ママさんたちです。保育園、学童保育室での父母会で知り合ったたくさんの働くお母さんたちにどれほど助けられたことか。看護婦さんや学校の先生などもいらっしゃって貴重なアドバイスもいただいています。子どもが成長した今でも貴重なネットワークになっています。今でも困ったときはお互いさま。父母会活動にも積極的に参加しています。今ではどちらかというと相談されることのほうが多いですが、自分の経験が少しでも役に立てばとなるべくたくさんの方々と話をするようにしています。
ベテラン育児経験者のありがたさ(しど・大阪・既婚・36歳)
都会の核家族で初めての子を育児休暇中です。でも育児は今のところ苦痛ではありません(育てやすい健康な子であるというのもありますが)。それは、里帰りした時に全面的にバックアップしてくれた母親、伯母などが、今も精神的にわたしの支えになってくれている、という安心感があるからです。母は、自分の母がしてくれたことを娘にしているだけだ、と言っていましたが、ベテランの育児を伝承してくれた母の存在はどんなに心強かったことか。とくに、産後の最初の1カ月は授乳とおむつ替えだけで頭がいっぱいで、睡眠不足でフラフラのわたしの気持ちを緩和してくれ、後になるほどその時のありがたさが身にしみてきます。育児の大先輩たちのお陰で、些細なことでは動じなくなり、子どもの一挙手一投足を見守るのが楽しくて仕方がありません。今は、毎日子どもの様子を母に携帯でメールし、たまに子どもの声を聞かせてあげるのが楽しみです。
主人の子育てを見てわが子育てを振り返る(にっしぃ)
自営業ということもあり、主人が子どもと接する機会が他の家庭よりも多いと思います。主人の子どもに対する怒り方などは、わたしから見ているとハラハラするようなこともありますが、主人なりに考えてしていること。絶対に口を出さないようにしています。主人も自分の子どもに対する接し方がどのように跳ね返ってくるのかを実感していると思います。あまりにもわたしの考えと違うときには、子どもがいない時に伝えるようにしていますが、相手の接し方を見ることで、わたし自身の子どもに対する接し方も考えさせられたりすることがあります。今のところ、いい親子関係が築けているのではないかと思っています。
娘がパパを嫌う理由(しずかちゃん)
小5の娘は最近、「パパは嫌いだ」と言います。理由は、たまに顔を合わせると、勉強のことと整理整頓がなっていないことしか言わないので、「ウザい」のだそうです。たしかにわたしも、子どもの心の成長にかかわる話題をパートナーにしても、さして重要なこととして受け止めてもらえず、塾の順位や英語力の重要性といったことに始終しがちです。子育てにまつわるさまざまな話は、パートナーや地域のお母さんたちよりも、学生時代の友人たちのほうが気楽にできます。子どもの年齢もさまざま、住む地域も違う、いろいろな角度や目線から会話できます。本音で話ができ、後腐れのない子育ての話ができます。
いつでも相談できる病院があると心強い(Buni・東京・既婚・30代)
2人で子育てをしているので(主人は仕事に行ってるので日中はもっぱらわたしの役目ですが、主人の休み時間にメールをやり取りして、子どもの様子を伝えたりしています)、子どものことは2人で毎日話しをして決めています。母親学級や出産が同じ時期だった病院で友だちになった人たちと今も交流を持っているので(最近はもっぱらメールのやり取りですが)お互いの情報交換をしています。また、出産した病院の助産師さん、地域の保健婦さん、ミルク会社やベビー用品の会社などの(無料で会員になっている)電話相談室などで、専門的な見地からアドバイスをもらったりすることもあります。病気の時は近所の小児科の先生に電話で症状を話して指導を受けることもあります(幸い近所の先生で1回受診していれば電話で相談にのってくださる方がいらっしゃいます)。でも、夜中などに急な病気になったときのことを考えると不安です。
近年は救急の小児科が統廃合されたりして減っています。わたしの地域でも3つあった24時間体制の病院が1つになってしまいました。その病院は受診の予約が1カ月以上先までいっぱいで、急患で行っても1時間以上は待たなくてはなりません。石原都知事が先日「最近の若い母親は無知な人が多く、なんでもかんでも医者にかかればよいというものではない。95%は初期診療で救急患者はそれほど多くない」などと発言されていましたが、納得がいきません。小児科の先生のご心労にはなると思いますが、いつでも相談できる病院やいつでも診てもらえる病院の存在があるだけでも心強いのですが。
パートナーにできる限りの相談を(TINYBELL・神奈川・パートナー有・28歳)
1歳4カ月の子どもがいます。パートナーとはできる限り話をするようにしています。親世代や同僚の女性に聞いたほうが、より的確なアドバイスが得られる場合もありますが、それでも同じ「親」であることの自覚を持ってもらいたいと思うので、できる限り相談をし、気づいたことを伝えています。どうでもいいようなちょっとしたことでも共感し分かち合えるのは、やはり同じ親であるパートナーではないかと思うのと同時に、そうであってほしいと思うので。うちの場合は、とりあえず聞いてはくれます。