
この映画、ムーア監督にとってはむしろ控えめ?(パレアナ・東京・パートナー有)
3日めのサーベイを読んで、この題名が、ブラッドベリの小説『華氏451』から名付けられたものであることを知りました。現実の世界のほうが、SF小説の世界よりインパクトが強いという事実を実感しました。内容については、選挙用ということもあるのでしょうか、ムーア監督の著作から想像されるような過激さはなく、むしろ控えめの表現だったと思います。ムーア監督に、ドキュメンタリー映画の作り方を伝授したという、ケヴィン監督による『アトミック・カフェ』が18日から再上映されるそうですが、その手法も観てみたいと思っています。
また聞きの酷評ならぶ掲示板には注意(ラムネ&タマ・神奈川・パートナー有・34歳)
公開初日に行きました。行く前に映画のサイトなどで前評判をチェックしていこうと思ったら……随分な書かれようでした。でも見終わって思ったのは、「酷評した人々はあの映画になにを期待したのだろうか?」ということ。そんな言われ方をする内容ではありません。物語ではなくドキュメントなので結論ははじめからわかっている。あの事件から(もっと前から?)現在までのこと、また今後について、日本にいるわれわれが知り得なかったことの一面を知り、考える材料のひとつにすることができました。この作品は個々に見て考える映画だと思います。上映禁止などの措置は適切ではなく、見た人からまた聞きすることのほうがよっぽど(見た人の)主観が入る可能性が高まり、正しい見方ができなくなるように思います(なにしろ既に監督とメディアが介在しているのですから)。
すなおに、結構面白かった!(4048・東京・パートナー無・28歳)
観ました。安易な言い方ですが、結構面白かったです。映画は、確かに内容が偏っており、一方的に信じてしまうのは危険だと思います。けれども、情報音痴を直し、世界に眼を向け考えるきっかけをくれた映画だと思います。映画の内容がどこまで本当なのか、自分のできる範囲で調べ考えることが、重要なのではないでしょうか?
ワシントンの高校生はこぞって観てます(chachakocha・ワシントンD.C.・パートナー有・48歳)
米国政治のお膝元ワシントンで観ました。上映開始後、自主制作映画上映専門館のみでの上映。それが、あっというまにメジャーの映画館全域での上映に広がり、夏休み終盤まで延々のロングラン! 娯楽映画には殺到する米国人が、地味なドキュメンタリー映画に足を運ぶのは驚きです。平日の昼間に観に行きましたが7〜8割の入り。R指定(18歳未満は保護者同伴)ですが、このドキュメンタリーがR指定なら、流血・殺人場面が満載のホラー映画がどうしてPG13(13歳以上なら保護者同伴不要)なのか、理解しがたい。
ワシントン周辺では高校の上級生はこぞって観ています。そして、米国の行く末を、今年の大統領選の行方を憂えています。9月から高校に進学した長男にも観てほしいです。「高校卒業したら、Military Academyに進学する、大学の資金を出してもらえるから」という至って単純な発想の彼。退役軍人、ベトナム戦争従軍経験者の親たちは、Veteran’s Dayに中学、高校に招かれその体験を熱く語り、ティーンエージャーの愛国心を煽ります。映画のなかで、現役将校がショッピングモールで巧みにリクルートをかけるシーンがありますが、対象にされるのは、どんな若者でしょうか。イラク戦争に送られた彼らの末路は? 家族の思惑と悲嘆は?
小泉首相は「政治的に偏った映画なので観ない」と公言してはばかりませんが、食わず嫌いはいただけません。どこが「偏って」いると思われるのか、観てから堂々と指摘なさればかえって株も上がるのでは。
ドキュメンタリーの表現方法が再評価?(しろりむ・三重・パートナー無・36歳)
ドキュメンタリー映画ということで思い出すのは、河瀬直美監督の『沙羅双樹』。せりふは聞き取りにくいし、素人さんもたくさん出演しているし、カメラは変わった撮り方をしているしで、いわゆる普通の映画とはかなり違う印象がします。叙情的な物語として撮ることも十分にできる素材をわざわざドキュメンタリータッチで撮ったところに新鮮さを感じるとともに、(正直に白状すると)ちょっと違和感もありました。この新鮮さと違和感がドキュメンタリーの魅力かなとも思います。SFXなども含め作り話の手法が、ある程度まで完成を極めたからこそ、ドキュメンタリーという表現方法が再評価されているのかなとも思います。