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平田 オリザさん
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自分が変わることに喜びさえも見出すっていうのが「対話」の基本的な概念なんです
- 平田
一番ダメなのが40歳以上の男性で、本当に全然対話ができない。要するに、自分の発言に対して相手が何かを言ってきて、自分の考えが変わるっていうことを想定してしゃべらないから、本当にダメ。
これは、対話の一番大事な概念で、対話っていうのは基本的に、価値観の異なる人と出会って自分が変わっていくことを潔しとする。あるいは自分が変わることに喜びさえも見出すっていうのが「対話」の基本的な概念なんです。
でも、会社人間だと、上司と部下の関係しかないから、変わるってことがないんですよね。本当にかわいそうで、学生のコミュニケーション能力より、お前達がどうにかしないと大変だぞ、と。
- 佐々木
そうですね。私は、だから、インターネットというのを使って何かをしようと思った時に、掲示板だと、いたずら書きみたいになるし発散でしかなくて、全然使えないと思って、今の仕組みを考えたんですね。
たとえば働く人の円卓会議では、「イエス」「ノー」の投票を、一人一票持っているんです。私が月曜日に「イエス」と入れて、例えば「守るべき」と投稿し、ディスカッションを読むなど参加していって、水曜日に「ノー」って意見を変えることができる。「ノー」に投票しなおすと、自動的に「イエス」が消えて「ノー」に一票が入るっていうシステムになっているんです。
オンラインで、それこそ会ったこともない人達が、ディスカッションをして意見を変えていくということができるっていうのは、今、嬉しくなってちょっと興奮しているんですけど、平田さんがやっていらっしゃることと、少し同じかも知れないと。
- 平田
ええ。変わっていくっていうことが一番大事ですね。学生にも、本当に、一番、そこを伝えたいんですね。自分も相手も社会も変わるんだっていうことを。
- 佐々木
選びなおすことができるっていうことをね。
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