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平田 オリザさん
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秩序立てて考える習慣みたいなものを身につけた方がいいんじゃないかなと
- 佐々木
渋谷の近くに家があるのに、大岡山に住み込んじゃうんですか? でも、一人暮らしをすると、すごくいろんなことを学ぶし、その後の世界一周で、本当に多様な体験をしたでしょうね。私もニュースステーションのリポーターとして海外に出たとき、貧富の差だとか、東京にいたら見られないものを見たので、やっぱり自分が東京に戻ってきた時に、「何だ、私は、こんなに幸せな環境にいたのか。だったら何でもできる」っていう気になりました。
- 平田
そうですね。ただ、本当に、まだ子どもでしたから、そんなにはっきりしたものはなくて。さっき言ったような、相対化してしまって何でもありっていう方が、どっちかというと問題だと思って。それで大学に行くことにしたんです。
これは、大学に行ってきちんと理論武装というか、秩序立てて考える習慣みたいなものを身につけた方がいいんじゃないかと思って、大学に行くことにしたんです。それまでは大学に行こうとはあまり思っていなかったんですが。
- 佐々木
それは、どんな理論を?
- 平田
自転車って、ずっと漕いでいるだけで、ものすごくいろいろ考えるわけですよ、暇だから。ものすごく、たくさんの経験もしたし、そうすると、ある意味で、頭でっかちではないんだけど、「経験でっかち」みたいな。子どものくせに妙に老成してしまうようなところがあるので、もうちょっとちゃんと抽象的な思考に堪えるようにした方がいいな、と思って。
- 佐々木
そうですか。私などは、まさに今でも「体験でっかち」で、この年齢になって、本を読んだり、勉強意欲がわいてきたりしていますが、それを若くして感じて、大学に行こうと思う、というのはさすがです。
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