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平田 オリザさん
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コミュニケーションティーチャーって僕は呼んでいるんです
- 平田
これをドラマティーチャーっていうと、なかなか日本ではアレルギーのある人も多いと思うので、コミュニケーションティーチャーって僕は呼んでいるんですけど、そういうのを小学校に配置できないか。今、英語教育のために外国人の先生なんかが配置されていますよね。同じようにコミュニケーションティーチャーを配置して、いろんな授業に役立ててもらう。子ども達のモチベーションをつけるように、要するに他者が必要だから、そういうものができないかっていうのを、今、運動をしているところですね。
- 佐々木
イー・ウーマンで、講演者総合養成講座っていう講座をやっているんですね。「パブリックスピーカーを育てる。だけど、話し方教室ではありません。あなた自身が、あなたである理由がちゃんと伝わるような20回の講座です」って。その中には、やっぱり俳優が講師になって行うワークショップがあるんです。当然、即興劇みたいなのもありまして。
でも参加者の中には、即興なのに、前の人のをまねして同じことをやったり、授業の終わった後に、「今日の授業は、何の役に立つんですか?」って質問をする人がいたり(笑)。徐々に理解して、その人の心も体も開放されていくのですが、日常の中で、意識した即興体験が少ない人が多いんですね。
- 平田
小学校の時から少しずつやっていると、全然違うんですけど、大人になって急にやらされると、やっぱり「やらされている感」が強いので、なかなか難しいですね、それは。
- 佐々木
何回かやると慣れるものですか?
- 平田
人にもよりますし、僕なんかは責任がないこともあって、大学院生なんかにも「できなくてもいいよ」っていうことを言ってあげると、意外とできたりするんですけどね。
結構、そういう方達は向上心が強かったりして、「やらなきゃ」って。で、コミュニケーションって、そんな、「やらなきゃ」っていうものじゃなくて、楽しむっていうことが大事なので。ただ、何が楽しいかは、人それぞれ違うので、慣れるというよりも、時間をかけていろんなものをやらせると、回路が開けたりということはあるんです。いろいろやってみるっていうことが、とにかく大事なんですね。
- 佐々木
大人になっても遅すぎないって思いたい(笑)。
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