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根本かおるさん
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自分を励ますエネルギーをもらう
- 根本
もちろん制度的な問題もやっていて、こういうことだけではなくて、全体の制度に関わるような、構造問題の話なんかもしていたわけですけれども、それはなかなか、やっぱり進まないわけですね。進まないなかで、もう1つ、自己確認の意味も含めて、そういう人たちとの触れ合いをすごく大切にしていたっていう部分があったかもしれないです。
- 佐々木
そうでしょうね。というのは結局、裏返せば、こういう言い方は悲しいけれども、本当に、やれども、やれども終わりがない感じのときもあるでしょう? 成果が見えないというか。一人ひとりを見れば、ハグも含めて、いろんな成果が見えるんだけれども、全体で見ると、終わりがないっていうか、成果が見えないっていう、そんな気持ちにやっぱりなると思うんじゃないかと。
- 根本
おっしゃる通りなんですね。やっぱり、構造問題、制度の問題っていうのは、それが変わらないと全体は良くならないので、非常に大切なことで、粘り強くやっていかなきゃならないんですけれども、同時に、やっぱり成果が見えない。で、くじけてしまいそうになるときに、自己確認というか、自分を励ますエネルギーをもらうっていう意味もあったかなと思うんですけどね。
- 佐々木
そうですね。やり続けなくちゃいけない仕事だしね。
- 根本
そうですね。それから、自分だったら絶望してしまいそうな悲惨な状況の中で、難民や避難民たちはそれでもたくましく生きている。ふるさとを追われて、民族の伝統を自分たちの手で守らなければ誰が守るんだ、という信念などもあるのでしょうか。気高さを感じるほどです。難民たちのたくましさや勇気に触れることで人間として励まされる。これが援助活動に直接携わることの醍醐味かもしれません。
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