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根本かおるさん
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やっぱり、上を預かる者が資金集めをやらなきゃいけないんじゃないか
- 佐々木
根本さん自身が、国連の組織の中で上に上がっていくっていう、キャリアアップの中で、資金集めをすることもできるようになっていった、ということですね。国連組織って、すごく戦略的に動かなきゃいけないと聞きますが。
- 根本
そうですね。やっぱり、活動資金がなければ活動できないですよね。現場のスタッフにいい仕事をしてもらうために一番必要なのは、スタッフの数も必要ですけど、スタッフの数もお金があって裏付けされるものですから、お金ですよね。
そういったところは、やっぱり、上を預かる者がやらなきゃいけないんじゃないか、ということです。そこは日本というドナー国の1つに生まれた幸運もあるかと思いますけれども、関係方面にいろいろ話しかけて、ご寄附をいただいたり、あるいは「本部でも、この部署はお金を持っている」とか知っていて、「ここにお願いすれば、出してもらえるかもしれない」とか。
あるいは、これが今やっている仕事につながるんですけれども、UNHCRの活動は、政府の拠出金だけで賄われているものではなくて、民間の方々にも幅広く支えていただいて成り立っている組織なんですね。民間の方々に募金を呼びかけて、あるいは企業などから多額のご寄付をいただいて、それをプロジェクト化する。あるいは、日本の企業や人々の関心を引き起こすようなプロジェクトをつくる。
そういったことで、日本の民間の、一般の方々、あるいは企業からお金を取ってくるということも、ネパール時代はしたんですね。
- 佐々木
根本さんは、33歳でUNHCRに飛び込んだっていうことで、結局、そこからキャリアを作り始めたから、かなり戦略的にキャリアプランニングを考えたって、どこかで発言されていたのを読んだんですけど(笑)、そんな覚えはありますか?
- 根本
それはあまり意識的な発言ではなかったと思いますが、たぶん、スタートが遅かった分、いろんなことを学んで、次は何をやりたい、次は何を学びたいって、すごくしっかり考えてた、ということだと思うんですね。
今、日本UNHCR協会で手がけている仕事は、所長時代に学んだ、人をまとめる仕事。それも、当時、若干手がけた、資金調達をする仕事、それも人々に訴えかけて資金を集めるということなので、啓発+資金調達ですよね。マスコミでの経験から始まって、さまざまな支援の最前線やUNHCR本部での経験、所長としての仕事など、すべてが今やっていることに収れんしている感じです。
- 佐々木
それが日本での事務局長の仕事っていうことですよね?
- 根本
そうですね。やっぱり日本で、もっと難民問題について関心を持ってもらって、それを協力につなげていく。そうした関心と協力の輪を拡大するというのが仕事です。
例えばイベントに参加するとか、ウェブサイトを見てもらうとか、あるいは学校の授業で取り上げてもらうとか、そういったこともあれば、募金をしようとか、寄付をしようとか、あるいは企業の本業を生かした社会貢献の1つとして、難民支援に繋がっていこうとか、いろいろあると思うんですけれども、それを今まさに手掛けています。
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