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根本かおるさん
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難民受け入れに、日本がもっと積極的になっていただけると
- 佐々木
日本は、難民認定がすごく遅れているじゃないですか。日本に来ていらっしゃる、ベトナムのボートピープルもそうだったし、最近だとイランからの家族とか、非常に目立つ形でメディアにも出ていますけど、それはどうお考えですか?
- 根本
やっぱり、これだけ国外の難民支援活動に、日本は積極的に関わっているし、貢献していますよね。ですから、「burden sharing(重荷を分かち合う)」としての難民受け入れに、日本にもっと積極的になっていただけると、非常にいいのではないかと思いますね。
日本では「ネットカフェ難民」やら「帰宅難民」「IT難民」など、どんどん難民が増えているようだけど、本当の難民ももっと受け入れてもらいたいですね。
多様性、いろんなバックグラウンドをもったさまざまな人たちが、一緒になったときに生み出すパワーって、すごいと思うんですよ。いろんな違った背景を持っている人たちを受け入れることで、日本の国だけじゃなくて社会全般がすごく変わること、得をすることって、たくさんあると思うんです。
- 佐々木
ダイバーシティ(多様性)は、今経済界でも課題になっていますが、難民受け入れで日本社会のダイバーシティも進めるという考え方ですね。大切なことだろうと思います。ただ、たぶん日本側からすると、何しろ地球上では非常に平和な国だと思うので、難民が申請に来ても、その生活背景や危機感がよく分からないっていう意味で、認定がやっぱり厳しいんでしょうね。
先程の、1日に3人も4人も来て、逆に鈍感になってしまう、というのとは逆で、日本の難民認定って、あまり日本側の人が体感できていないことが原因でないかと思ったりします。
- 根本
入国管理および難民認定法が2004年に改正され、制度は改善に向かっています。これは、UNHCRの駐日事務所が今、一生懸命にやっていることですけれども、より一層の改善に向けた政府側との意見交換も、随分と最近は進んでいるようです。
それでも、地理的な制約や言葉の壁、NGOや支援団体も少数で小規模、それにそもそも「難民コミュニティー」が小さい等など、さまざまな構造問題もあり、「難民に閉ざされた国」「難民に冷たい国」というイメージがあるのは否めません。今後に期待、という感じでしょうか。
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