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根本かおるさん
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女性の職業訓練に重点を置いたプロジェクトを立ち上げていこう
- 根本
先程、女性の話をしましたけど、ふるさとを追われて逃げてきた人たちの中で、お父さんっていうのは、一家の大黒柱だったのが、突然、仕事もなくなってしまって、日がな一日、ぶらぶらと。それが心を鬱屈させて、家庭内暴力にも及ぶ。片や、お母さんの方はというと、することがたくさんあって、ちょこまか、コマネズミのように働いている。
そんな中で、家庭内暴力が起こってしまう、ずっと一緒に暮らしていけない。で、緊急避難的に我々が間に入るような形で、離婚がなかなか認められない社会風土の中で、お父さんとお母さんが別々に暮らしていけるようにするということもあります。
あるいは、戦争の中で夫を亡くしてしまって、逃げてきた先では母子家庭になっているケースもある。そうすると、お母さんが本当に頑張って家族を支えていかなければならない。
こんな中で、手に職をつければ、母子家庭を支えているお母さんや、家庭内暴力で家を追われて、何とか頑張っていかないといけないお母さんにとって、非常にためになるわけですけれども、そういった職業訓練的なものには、UNHCRの資金不足の中で、なかなか手が回らないという事情があるんですね。
すごく大切なものなんですけれども、やっぱり、限られた資金を水・食糧に回すのか、医療サービスなのか、子どもの教育なのか、それとも職業訓練なのかってなると、人の命を救うというような優先度の高いものにまずお金をつけて、大切なんだけど生き死にを左右するものではない活動には、なかなか手が回らない。
そういう状況の中で、これから、女性の職業訓練に重点を置いたプロジェクトを、世界中の社会的なリーダーシップロールを担っている女性の方々に参画してもらって立ち上げていこう、という特別な支援プログラムをUNHCR本部が企画しました。難民女性たちと女性のリーダーや経営者たちとを連帯で結んで、応援していこうというプログラムです。
このように、世界中の女性のリーダーの方々に関わってもらうような形で運営するプロジェクトって、UNHCRにとっては初めてのことなんですね。今、いろいろな女性のリーダーに声を掛けて、来年(2008年)の初めに発足会を持って、推進していこうとしています。
24/28
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