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毛利 子来さん
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「行かなきゃダメ」って言われちゃうと、余計に苦しくなっちゃう
- 佐々木
うちの下の子は、不安発作みたいなことがあるんです。1年生で入学した時、初めの3日は楽しくて嬉しくて、スキップして行くような子だったんですが、4日目の朝、おたふくになって10日間休んだんです。そうすると今度、彼の5日目が、他の子ども達の十何日目なので、たぶんクラスの様子が違ったみたいで。そこから学校に行かないことがあるようになったんですね。自分では「行かなきゃいけない」「行きたい」でも、行かれない、と泣いたりして。そんな時、私の中で、何が病気で、何がわがままなのか、その違いが分からなくなることがありました。
- 毛利
これは分からないですね。
- 佐々木
とにかく自分を信じて、判断するしかないって事ですね。
- 毛利
そう。その時の自分の体調もあるし(笑)、自分の気分もあるし、ちょっと悪いけど、だんなとの関係とか、仕事の具合とか、いろんな事が重なっているからね。だから、いつも同じにはできないんじゃないでしょうかね。その時にできる限り最善の事をやるしかしょうがないと思うんですが。あとは僕は、待つっていうのは大事だと思うんですよ。
学校に行きたがらなくなったとき、慌てて「明日にも行かせよう」って強いると、子どもは葛藤を増すから、かえって行けなくなりそうだ。僕自身も不登校の走りをしましたから、気持ちは分かる。行かなくちゃいけないと思うわけ。また、行きたくもある。
けれどもね、クラスの雰囲気、友達の目とか、先生がどういう事を言うかとか、第一、学校の門をくぐるって事自体も、ちょっと重いんですね。だから、つい、行かなくなっちゃうんですね。だから苦しいんですよ、非常に。
それを「行かなきゃダメ」って言われちゃうと、余計に苦しくなっちゃう。だから辛いんで、まあ放っておいてもらうと一番良かったですね。そうすると、そのうちにねえ、行かない事が退屈になってくるっていうか(笑)。
- 佐々木
そうですね。うちの子も、1日休むと次の日に行ったり。最近は、随分良くなって、学校の旅行にも行かれるし、私が出張に行っていた間も休まず通えました。でもこの時機にしておかなくちゃいけないことがあるのかなあと思ったりするのです。
お母さんの中には「あなたが働いているからでしょう」という人もいて深く悲しみましたが、私自身がベストを尽くしていくしかないから、と。
12/29
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