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毛利 子来さん
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環境の主要部分は親だと思いますよ
- 毛利
いやあ、僕の育児書で育ったら、本当、保証もてない。ハハハ。学問も、どんどん変わるから分からないけど、今の所の児童心理学では、性格形成、……子どもの性格ですよ、容貌とかじゃなくて。子どもの性質に関しては、親が直接与える影響はせいぜい20パーセント。ひょっとすると10パーセントぐらいじゃないかっていわれてるそうだよ。
つまり、親が、この子は、人付き合いのいい、勉強のできる、頭のいい子に育てると願って一生懸命やっても、その効果は知れている、と。あとは6割ぐらいが遺伝で。
- 佐々木
6割が遺伝(笑)? 遺伝も困るなあ。
- 毛利
で、2〜3割ぐらいが環境っていうんだなあ。だから、問題は、環境でね。
- 佐々木
環境と親の影響は違うんですか。
- 毛利
いや、僕に言わせれば、環境の主要部分は親だと思いますよ。特に乳幼児、小さな時期はね。だから、その意味で親の影響はあるんだけど、親が意図的に、こう育てようと思っても、成果が上がるのはそうない、と。
だから、親の生き方とか、暮らし様とか、考えとかは、そういったものが陰に陽に影響を与えるんだろうと思いますね。たぶん、そんな所でしょうね。
山田太一っていう映画監督、シナリオライターの人が、「親ができるのは『ほんの少しばかり』のこと」という、新潮文庫で書いておられますけど、まさにその通りで、あまりできる事はないんですけど、つい、親となると、欲が深いから(笑)。
- 佐々木
そうですね。でも、私なんかも先生の本を読みながら、自分の性格的な事や、できる事、できない事も、ある程度考えて、「まあ、何とかなるさ」と思って育ててきたんですね。
- 毛利
その「何とかなるさ」がいいんですね。
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