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西 樹さん
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「渋谷」でしか成り立たなかった
- 佐々木
「シブ経」と「デパチカドットコム(以下、デパチカ)」の話なんですけど、西さんはずっと花形でやってきてるなと思っていたら、突然「僕 DJ始めるんだよ」ってラジオの番組にも出演されて。今日スタッフに、「今回の対談は西さん」って言ったら、「毎週お耳にしています」と言って(笑)。ですから花形の西さんというよりも、「シブ経」の「西さん」が有名になっている感じがしますが、「シブ経」と「デパチカ」に至った経緯をお話いただけますか?
- 西
僕らも日本の業種分類でいくと広告業界にいますから、渋谷で今どうなってんだ、ということを常々知っておかなけりゃいけないということがあるわけですよね。渋谷の情報というのは氾濫しているんですけれど、エンドユーザー向けの情報なんですね。『東京一週間』とか『Hanako』とか、『Tokyo Walker』。
僕らは、この店誰がやってるんだとか、なぜこれを作ったんだとか、工事現場の囲いができて、何ができるんだとかをいち早く知りたいわけですね。
そういうことをワンストップ的に知る場所がない。たとえば新聞を見ても、東京版が対象にするのは本当に広い地域なんで、よっぽど渋谷で大きなできごとがない限りは取り上げられない。ということは、PR会社から見るとですね、たくさんのプレスリリースが眠っているわけですよね。
それを発掘してワンストップ的にとらえられる場所がないんだったら、自分たちでやるか、という感じですね。それで「シブ経」という形が生まれたということですね。
- 佐々木
注目されてますよね。
- 西
注目っていうか、まあ便利だからここにアクセスしちゃうという感じですか。こういうことを知りたかった人が、やはり世の中にはいたということかもしれないですけどね。
広域渋谷圏というふうに僕らは呼んでいるんですが、渋谷と青山、原宿、代官山、恵比寿、これらの地域は連携して動いている珍しい商圏じゃないかなという仮説があります。だから、「渋谷」をカタカナにして「シブヤ」と呼んでいる。渋谷駅の乗降客数というのは、実は伸びてないか、あるいは少し減っている傾向にあるんですけど、多分全部の駅を合わせると、そこそこ伸びていると思うんですね。これが一つおもしろそうだと感じるところです。
渋谷圏に住んでいる方とか働いている方から、もっと渋谷の便利な情報とか、使えるランチ情報を増やせっていう要望をよくいただくんですけど、うちは「シブヤ経済新聞」という名前を名乗っておきながら、渋谷の人のための案内サイトではないんですね。
だから読者の方には、東京以外にもいらっしゃいます。それこそ、北海道から九州の方まで。渋谷という場所をひもときながら、トレンドを見ていこうというサイトなので、そこがちょっとおもしろいと思うんですね。
当初は、渋谷以外にもこういうことが成り立つのかなと思っていたんですけど、やってみるとやっぱり渋谷しか成り立たないな、というのが途中からわかってきて。全国に向けてあるエリアをフィーチャーできるというのは、多分渋谷しかない。まあ銀座とか丸の内とかはありますけどね。
あと、都市のあり方とか、都市学とかそういうものに興味を持つ人も世の中多いんです。「シブ経」はそういうものを考える時、いい材料だと思うんです。これからの都市がどういう方向に向かっていくか、今まで駅前を開発して、ハードはさんざん造り倒してきた。それでも人が集まらない街には人が集まらない。ハードではないだろうということが、60年代から70年代に見えてきた。じゃあ2000年代の都市の在り方はどこへ向かうんだろうということを考えたり、コンテンツをテーマにした街の在り方を考えたりするとき、渋谷はいいテストケースでもあると思うんですね。
10/16
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