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古川享さん
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精神分析でコンピュータを使っているわけです
- 佐々木
その心理学から、なぜコンピュータに。
- 古川
その当時ですね、まだコンピュータって部品で購入しても、すごく値段の高いものだったのね。メモリが8Kバイトで、真っ暗な画面に文字だけが映って、アルファベットで、カタカナなんて漢字なんて当然出ない。メモリが16Kbにフロッピーディスクの容量が128Kか256Kバイト、それが180万円ぐらいしたの。で、そんなもの買えないじゃないですか。
だからアメリカの雑誌を見ていると、それをキットで買って自分で組み立てると、どう見てもそのころの価格で、ドル240円ぐらいしたんだけど、だけど500ドルって書いてあるから、10万ぐらい。日本に持ってくると、180万って。その当時、西海岸までの航空券が9万8千円から12万、安いやつでね。
- 佐々木
そんなのがありましたか。私の大学生の頃で、一番安かったのは15万くらいだったんですが。
- 古川
いえ、チャイナエアーで12万8千円で。それでアメリカに行くじゃないですか。1年のチケットで、戻りでそれを使っちゃうともったいないから、観光ビザで入って、I-20を取って、Fビザの申請をするために、3週間東京に戻るために、ロサンゼルス発の570ドルで飛んで、3週間以内でロスに戻ってきて、F-VISAで入国して、最後はチャイナエアーの最初の半券で帰る、なんて技を使っていたね。
- 佐々木
それ何年です?
- 古川
77年から78年だね。で、カリフォルニア州立大付属のELSに入って。それで、たまたまなんだけど、男3人女性1人で、4ベッドルームの一軒家を借りたら、同居人全員が実はコンピュータ関係の人だったのね。僕だけ学生で入っていったんだけど、でも最新のコンピュータの知識は僕の方が持っているから、英語はできないけど、コンピュータの知識は僕の方があるっていうので、みんなこの先どうなるのって聞いてきて。
そこの連中と、これからマイクロコンピュータを活用したパーソナル・コンピュータというものがが出てきてねなんて話をしながら、それこそ居間でボールを投げると、犬が空中でジャンプして銜えて走って戻って来るみたいなねサイズで、プールもあるような家をみんなで借りてたんです。当時の月額家賃が600ドルで4人で割って、150ドルずつ。
- 佐々木
それはすごい話ですが、でも、伺ってると、いきなり「英語の雑誌を見てたら」っていうところから始まりましたが、そもそも心理学の生徒がなんで英語のコンピュータ雑誌や、ハンダ付けキットを見てたんですか?
- 古川
あのね、そのころね、精神分析でコンピュータを使っているわけですよ。それから集計や統計学にも使ったりね。コンピュータ・サイエンス以外にもマイコンを使おうという雰囲気が生まれたころだった。
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