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古川享さん
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それって「ライ麦畑」なんですよ
- 佐々木
これから、どういうふうにしていきたいんですか? マイクロソフトを辞められて、今は慶応大学の仕事がある。でもまだとっても若くて、ビジネス界からも、いっぱい仕事のオファーだってあるわけでしょうし、チャンスもあるし。
- 古川
53のおっさんでも、まだ若いって言われる。でも、もう1つの会社を成功させるとか、上場するとか、金もうけとか、もういいね。それよりは、なんだろう。僕ね、中3から高1ぐらいのときに、「こいつらと競って、大会社の社長になったり、競争に打ち勝つようなことって、もういいや」って思った瞬間があったって言ったでしょう。
それって「ライ麦畑」(『ライ麦畑でつかまえて』)の世界観なんですよ。あの本は本当に好きな人もいれば、何言っているのか分かんないという人もいるけども。人生最後に何が幸せっていったら、がけっぷちに寝転がって芝生の上で本でも四でいる気分で、「遊んでいる子どもが崖から落ちるから危ないよ」って、パッと手を差し出してあげるとかさ。その感覚ですよね。
だから無理やり、こうしろ、ああしろって人を導くとか、教えてあげることは全くなくて、「こうした方がいいと思うよ、おじさんは」って言って、「嫌だったら、別にその通りにしなくていいんだし」って言って。でも生きるためのヒントがあったら、ちょっとパッと渡して。そんな感覚ですね。
- 佐々木
それって、本当の意味での支援を多くの人たちにしていこうってことなんでしょうね。一つの会社に資源を注ぎ込むというより、古川さんの経験から見えるいろんな選択肢を、それを見えていない若手たちに見せてあげたりする。私たちも含め、そういった提案をしていただけることって、本当に光栄なことだと思います。
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