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古川享さん
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先達たちがチャンスを僕にくれた
- 古川
で、アスキーという会社8年、その後マイクロソフトに20年ちょっとの間いた中で、ずっと考えていたのはね、僕は自分が若いとき、大体25歳から35歳ぐらいの間に、完成された大きな企業の人たちに、時代の流れが変わるからということで、すごく大きなチャンスをもらったと思っているのね。
例えば、富士通とかNECとかIBMという会社は、コンピュータに関しては、それはすごい大きな会社で。当時、僕がNECの受付に行って、「マイクロソフトの古川です」って言ったら、「マイケルソフトさまですか?」って答えるぐらいだからね。そのころは、マイクロソフトなんて誰も知らなくて、猫のマイケルの方が有名なぐらいだったから。
で、その頃はそれでも、「自分たちはコンピュータのプロだけど若い企業に賭けているんだ」とか、「何を言っているんだか分かんないけど、この人間に任せてみよう」と、先達たちがチャンスを僕にくれたと思っているんですよ。それは僕だけじゃなくて、西さんもそうだし、ビル・ゲイツもきっとそうだっただろうし。
だからやっぱり、ポジティブスパイラルで考えて、自分自身がやはり、そのときにもらったチャンスを、今の時代に違う形で提供するには、どこでやったらいいのかと思ったわけですよ。
僕はいろいろな人から、「この企業に出資しませんか?」とか、「この会社の役員になってください」とか、散々言われたんだけども、そこの、限られたテクノロジーを成功させて、それを上場させようが、100人の会社を1,000人にしようが、それって自分からすると、一度やったことじゃない?
それよりは、僕自身が若い人たちに別の形でチャンスをあげる。具体的には、「お金ってどうやって引っ張ってきたらいいんですか?」とか、「企業ってこうやって口説いたらいいだよ」とか、「それってどうやってマーケティングしたらいいの?」とか。
いろいろ成功している例、失敗している例をたくさん見てきているし、僕の大きな財産というのは、各ジャンルで困ったときに、このジャンルだったらこの人っていう人脈を、たくさん普通の人よりは知っていると思うので、そこのところをつないでやることだったりするんじゃないかって。
若い人たちが、なんか這い上がってきて、自ら化学反応を起こすときに、僕は自ら触媒になっていればいいと。だから今回の大学教授の話も触媒なんですよ。僕自身はあえて教えてあげて、僕のところにこう来なさいっていう話じゃなくて、何かをきっかけに、自分自身が科学反応を起こすきっかけになってあげたいなっていう気持ちで。
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