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古川享さん
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ビル・ゲイツとか、スティーブ・ジョブズって
- 古川
今回はね、久々にシリコンバレーに若い連中を連れていったら、まあ、なってないよね。とにかく……。
- 佐々木
どんなところが?
- 古川
しゃべっても人の話を全く聞いていない。最初から6人とか10人とかプレゼンやるでしょ。そうすると、次に自分が何をしゃべろうかだけ、ずっと考えているわけ。
前の人のしゃべっている話をよく聞いていれば、自分もね、こういうことで、少し助けてあげようだとか、自分自身が持っているアイディアを重ね合わせたら、こんなふうになるかもしれないって考えられるのに、他人のことは全く興味ない状態で、周りのテーブルに座っていても、なんか、我関せずという状態。
だから、1回プレゼンのリハーサルをやった後、2回目のリハーサルは全員に、自分のプレゼンじゃなくて、他の人のを「このプレゼンをお前がやれ」って言って、やらせたの。そしたら何も聞いていないから、しゃべらないでしょ。それで「お前らバカじゃねえの!」って。
ビル・ゲイツとか、スティーブ・ジョブズって、みんなゼロから物を考える天才だって思っているんだけど、でも本当にゼロから何かやってごらんって言うと、どうしていいか分からないようなタイプで。
だけど、10人からいろいろな話を聞いて、「それ面白いね」「天才じゃないか、そんなこと考えるなんて。こうやったらいいよ」って言って、世の中を変えてきた。またこっちでやって、それをやり続けると、結局、全員の力を自分に引き寄せてね。全員が全員、自分だけがほめられていると思って、舞い上がっちゃっている状態でだから、全体的にものすごいパワーになってくるわけね。
だから言いたいのは、自分自身が何かを見極める能力以外に、やはり自分自身が一瞬、やはり相手の懐に入って、全部吸い取る、聞き取るという能力があって、なおかつ、それを分析して、それを人に伝えたりする。初歩的に、伝える能力が長けているだけの話で。
今の若い人たちって、一生懸命、自分自身を主張して、「これが正しいんです、あなたは間違っています」っていうようなプロセスの話の仕方しか知らないから、だからちょっと、違うんじゃないのと。
そういうところが訓練してあげるために大学院でそこら辺の訓練をしようと。
みんな一応大人だから、私はこういう者ですって自尊心の塊みたいな状態なんですよ。それで大学も出て大学院も入って、フワァーってなっているところを、いきなりハンマーでね、カシャーン、カシャーンって全部破壊していくの。
全体的にあんまり絞めたり、壊したりはしないけれども、やっぱり自分自身が1回、人前で裸にされるみたいな状態で、物理的にじゃないですけどね。
- 佐々木
いや、それ、大切なんですよね。新しい発想や行動を体得するためには。私20代のときにそういったセミナーの通訳やトレーナーをやっていたんですよ。
- 古川
やってたの?
- 佐々木
4日間とか5日間で合宿ですけど
- 古川
壊すの、壊されるの?
- 佐々木
あのね、私は初めはアメリカ人のトレーナーの通訳で、次は私自身がトレーナーとして関わったんだけれど、参加者が自分の足で立って、歩いて、自分の目標に向かっていくために、途中で、過去を振り返らせたり、邪魔なものを崩したり、裸にしたりってやって。最後は、すっきりと、自分で行動できるようになる。そういうのをやっていたので、何となく思い出していいなって思ったんですけど。
- 古川
一緒にやりません? それでいいじゃん。そうか、うちでもやって、それ。
- 佐々木
でも何日間もかかる。壊したままだと、本当に壊れちゃうから。何日かかけて壊して、裸にして、最後にその人たちが立ち上がるまで、4、5日かかるんです。
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