ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第116回 古川享さん

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古川享さん
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最近は仏のサムって
- 古川
僕ね、昔に比べると、最近は仏のサムって呼ばれるくらいになったからね。
- 佐々木
昔はどうだったんですか?
- 古川
昔はね。笑わないでくださいよ。僕、契約をつめる交渉を、1日、6個とか8個とか会議をやってね、英語の契約書を前にして、とにかく、ここは譲れる、譲らないって話をダァーってやって、次の会議をやってという状態だったの。ある社員の人は、僕があまりにもプレッシャーをかけすぎて、帰りの電車でね、つり革つかまったまま、手がこわばっちゃって、次の駅で降りなきゃって思っているのに、手が固まっちゃって、指を一本一本、もう片方の手で開いて、必死で降りたっていう人がいる。
- 佐々木
本当ですか? そんなに怖かったんですか?
- 古川
怖かったらしいよ。
- 佐々木
それは何歳くらい? 社長でいらっしゃったのが、32歳から37歳でしたよね。それは、「マイクロソフト」という会社の社長の仕事の厳しさから?
- 古川
僕、32歳で社長になるときは髪の毛が真っ黒だったんですよ。で、5年で全部、きれいに白くなったからね。徹夜の数が白髪の数みたいな、そんな状態だったですからね。
それは自分にかけられているプレッシャーだけじゃなくて、やっぱりね、「えっ! 外資系ってこんなことまで言っちゃうの?!」っていうけど、それって外資系だからじゃなくて、マイクロソフト流だったり、ビル・ゲイツ流かもしれないけどね。
例えば、組織図があるじゃないですか。100人が200人が300人がってなってくると、あとこの組織に5人が必要だ、5人増やさないとみんな過労で倒れちゃうって説明するでしょ。
- 佐々木
ビル・ゲイツに、説明するんですね。
- 古川
そう。そうすると、そのセクションの組織図、いきなり手でパッとつかんで、「上から順番に名前を言ってごらん」って言われるんですよ。10名であと5人って言ってると、「10人の名前全部言えて、その一人ひとりが何をやっているかって言えないと、その組織の一人ひとりの名前も覚えられないで、あと5人必要だっていうと、なんだお前は」ってね。
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