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織作 峰子さん
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もう一つが、桜の木なんです
- 織作
今、木とか花とか、植物を、じっくり撮り始めているんです。もう随分前からやっているのですが、それらをまとめだして、3年前から桜の木を撮り始めたんです。
- 佐々木
春、そう言えば、春ごろ、ホームページを拝見したら、桜を撮りに行くって書かれていましたね。
- 織作
私、日本の風景は後回しで、これまではずっと外国を回っていたでしょう? それでふと、日本人なのに、日本を感じるということを、もっとしてみよう、と思うようになったんですね。
それで、もしミス・ユニバースにならなければ行っていたかもしれない、日本画家の木村圭吾先生から「写真のほうに行って、よかったね。絵だったら、名前が出なかったかもしれないよ」って言われて、それで、写真家として名前も出たし一緒にコラボレーションをやろう、と言っていただいて。先生は何十年も桜を描き続けている方なんです。
- 佐々木
じゃあ、桜の絵と写真と。
- 織作
ええ、コラボレーションをやったんです、先生の絵と私の写真で。三島のクレマチスの丘にある美術館で展覧会をしまして、それを2007年の秋にパリで展示しましたら、私の作品を見て、「禅だ」と言うキュレーターがいらしたんですよ。私も「へえ」と思ったのですが、意識をしていない部分でやっぱり日本人なんだな、と思って。
私がどういう感じで向き合っているかというと、一つは、幼少期の風景がずっと頭の隅にあって、それを写真という道具、カメラという道具を使って表現したいという気持ちがあるんです。花をモチーフにしたり、女性の体をモチーフにしたりして、自分のイメージを入れ込んで、写真を作ってきたんです。
それと、もう一つが、桜の木なんです。私、何度もゾクゾクしているんですけれど、桜って、本当に霊気漂う木なんです。そして、明らかに女なんですよ、あの木は。
- 佐々木
ああ、確かにそうですね。男じゃないですね。
- 織作
桜の撮影に画家の木村先生と行くと悪天候が多く、雨が降ったり、風が吹いたり、荒れまくるんです。毎回ほとんど雨なんです。で、「何でこんなに雨に降られるんだろう?」って言ったら、先生は「やきもち焼いているんじゃないの?」って。で、なるほど、と思って。「だって、僕が一人で行くときは、いつも晴れているから」と言われて。でも、私は、別に、晴れている桜だけが魅力ではなかったわけ。それよりも、桜の霊気みたいなものを撮りたかったから、そういう意味では、すごくストレートな感情を表現できたかな、と思っています。
- 佐々木
楚々とした振りをしながら、桜って、すごく内に秘めた木なんですね。
12/22
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