ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第144回 鎌田由美子さん

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東日本旅客鉄道株式会社/事業創造本部 地域活性化部門 部長
鎌田由美子さん
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就職活動の勉強も出遅れ
- 佐々木
鎌田さんはとてもエネルギッシュで、どんどん前へ前へ、といくでしょう。私は、エネルギーの源は志だと思うんです。「これをやりたい」という、志。それを野心とか夢と呼ぶ人もいるかもしれませんけど、そういうことですか?
- 鎌田
何となく響きが違いますよね、「志」って言うのと「野心」や「野望」って。私も、言葉の意味を正確に把握して使っているわけではないんですけど、「志」って、くじけない強さっていうか、その先がある中で「これをやりたい」っていうことのような気がするんです。「その先」っていうのは、自分だけじゃなくて、周りを巻き込んで一緒に変わっていけるような、そういった変化を目指していくこと。巻き込みたいっていう、結構大きい思いがあるような気がするんです。
- 佐々木
それはいつごろから? JRは大きい会社じゃないですか。新しいことを作り出したいという夢や志が強ければ強いほど、大きいところや古いところや堅そうなところには就職せず、違う会社を選びそうな気がするんだけれど、でもJR東日本を選んだ。きっと多くの人事担当者が、この記事を読んで、鎌田さんみたいな人を採用したいって思うと思う。
- 鎌田
でも、「志」っていう言葉を使いだしたのは、たぶん10年たっていないんですよ。そんな、「志」なんて高尚なものを入社当時に持っているわけもなく。かをりさんのちょっと下ですから。
- 佐々木
いや、ずいぶん下じゃないですか。
- 鎌田
だから、ないわけですよ、就職先が。あの頃、バブルの前ですから、男子学生のところには会社案内がもうダンボールで何箱も家に来るぐらい届くのに、女子大にはほとんどない。しかも自宅を離れてひとり暮らししているような女性は、本当に行けるところが少なかった。
- 佐々木
確かにね。女性は親と同居でないと採用してくれない企業がたくさんあった時代。
- 鎌田
本当に少なかったんですよね。だから今「狭き門」っていう人がいるんですけど、女性にとっては今のほうがずっといい。あの時代は、男性は広き門、女性は狭き門だったので、本当に企業を選んでいる余裕がなかったんです。さらに、そんなに就職活動の勉強していなかったですし。
学科が社会福祉なので、大学3年のときには、その道に行きたいとも思っていたんです。だからもう完全に就職活動も出遅れ、そうなると「こういうことだったら、やってみたいな」っていう、本当に安易な気持ちが先で、会社を選んだ感じでした。
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