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秋元征紘さん
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イノベーションを起こす人
佐々木
数々の会社で経営者としてかかわってこられたということは、採用、つまりスタッフを選ぶ、育てるということをしてらっしゃると思うんですけれども、企業で活きる人、伸びる人、あるいは活躍できる人、何か要素というのはあるのでしょうか?
秋元
これはね、80年代にこの話をするのと今の時代にこの話をすると、全然違っちゃうんだろうなと思うんですね。昔はそういう差があったと思うんですよ。製造業は僕みたいなのは落第だったと思うんですよね。「君じゃなくてもいいんだ」と言われたわけですから。
当時はやはり研究開発を除くと“brilliant(優秀)”な人は要らなくて、“good soldier”が必要だった。特にマスプロダクションの世界ではね、品質で勝負していた日本にとってはやっぱり、自己制御というか、自分をコントロールして滅私奉公できる、忠誠心を持って勤勉な、本当に二宮尊徳みたいなそういうパーソナリティーがすごく大切だったと思うんです。
でも、今の時代は違うと思うんですよ。基本的にはイノベーションできるということが重要ですよね。これはたまたま大学の卒論がそうなんですけど、シュンペーターという経済学者がいて、彼が言ったことっていうのは、技術革新が時代を変えていくっていうことなんですね。
技術革新とは何かっていうと、それは起業家が新しい経済的な要素の組み合わせを作ることによって非連続な関係、創造的破壊過程をもたらす。それが時代を動かす。まさにベンチャーに代表されるようなメカニズムを、彼は約100年以上前に予測していたんですよね。
僕はそうだと思うんですよ。
誠実さはもちろん必要ですし、勤勉さであるとか倫理観を持つとかはいつも必要ですけど、昔みたいに「しのごの言うな、おれの言ったとおりにやれ」「わかりました」といっているような人はちょっと今問題ですよね。
今必要とされているのは、やっぱりモノを起こすことなんですよ。火種を起こすこと、技術革新を起こすことができる人はどういう人かということなんですけど、僕は二つポイントがあると思うんです。
一つは圧倒的な行動力だと思うんですよ、ナイキの“Just do it”じゃないんですけど。間違いを起こしていいと。どんどん間違いを起こせと。だけど同じ間違いを二度やってる人は駄目。さっき言ったような時代のころは、何かやると怒られるだけだったわけですが。
で、もう一つの要素。これも外資で学んだというか、LVMHでも同じこと言われてますけど、英語で言う“Think out of box”。これはどうやって訳すのかよくわかんないんですけど、既成概念にとらわれないでまったく違う発想で物事を発想していくっていうことかな。これができない人は駄目ですよね。でも、日本ではこれをやらない。教育でも。
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