ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第16回 秋元征紘さん
16
秋元征紘さん
過去の対談一覧
第141回〜
第121回〜第140回 第101回〜第120回 第81回〜第100回 第61回〜第80回 第41回〜第60回 第21回〜第40回 第1回〜第20回
居心地の悪い面接……そして採用
秋元
まあなかなかうまい人ですよ。それでもう、最後に恐縮しちゃってね、もういいです、3回も食事をごちそうになって、もういいって言ったら、「何言ってるの。ベルナール・アルノーはわたしをグループにスカウトした時、11回一緒に食事をした」って(笑)。「あなたはいいほうよ」って言われて(笑)。最高のメッセージですよ。
それで今度はね、アルノーさんに会ったんですよ。あの人はいまだに僕怖いんですが。今でも覚えてますけど、ディオールのアベニューモンテーニュのお店の上に本社があるんだけど、そこに行くまでに秘書が三人ぐらいいるほど、セキュリティがすごくて。最後にでっかい会議室の丸いテーブルのこっち側に座らされてね、そのうちコーヒーを出してもらって、コーヒーが冷めるくらい来ないんですよ。
そのうちギギギーッて扉が開いて、彼が入って来る。そして一番向こうに座るわけ(笑)。ニコリともしない。
「お前はなぜナイキを辞めるのか」と言うから、「いや、辞めるんじゃない。辞めてない。辞めるかどうかもまだ決めてない」って言ったら、「あ、そうか。では何が問題なのか」と言うから、「香港に行けと言われているけど、香港は嫌だと思っている」と言ったら、「どうしてだ」と言う。
ここで、雰囲気が悪くて、待たされたしイライラしてたから、ちょっと口が滑っちゃった。「昔、強引にニューヨークからカナダに行った時に、妻の意志を無視してやって、結果“ended up with divorce”だった」と。“I cannot afford another divorce”と言っちゃって、言った途端に「まずい!」と思ったけど(笑)。そしたら“I see”とか言うわけ。
その後もいろいろ質問があったんだけど、あまり一生懸命答えなかったんです。たとえば「百貨店は知ってるか」って言うから、「まあ知ってる」。すると突然、話題が変わって「秦さんを知ってるか」って言うんだよね。ルイ・ヴィトンの。「知ってるけど、まあ奥さんのほうが親しい」とかまた余計なことを言っちゃったの(笑)。そしたら知らん顔。
「パリは捨てがたいけど、この人は?」と思ったんですよ。結局それで終わっちゃった。ホテルに帰って、ランショーさんに電話して、「もう“I screwed up”」と言ったんですよ。「どうしたんだ?」と言われて、事情を話したら“Ah, that's normal.”と言うわけだな。
みんな彼に会うと“Intimidateされた”ような気になるって。で“Let me talk to him”と言うわけね。もし問題があるようだったら、“I'll call you back”と言うわけね。“If I don't call you back, you're OK. You go ahead, go home”と言うから、そうかなと思ってね。それで何も電話はかかってこなかったんです。
それで帰ってきたら、「すごくよかったと言っている」と言うので、ぜひっていう話になったんです。
佐々木
ゲランにも8年くらいいらっしゃいますよね。そういう意味ではケンタッキーと同じぐらい長い付き合いですね。
秋元
ケンタッキーは14年いましたよ。ペプシを入れると。でも、ざっくり言うとね、そんなに転職してないですよ。日本精工。それからベンチャー。キャリアはそこで、すっぽ抜けたとしても、あとの14年はケンタッキーとペプシ。あと、Pizza Hutとかいろいろやったんですけど。で、今がゲラン。その間にナイキがちょっと入っているだけ。だから、ま、普通ですよね。どちらかといえば、欧米的スタンダードですが。
8 /14