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井狩倫子さん
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一つのメッセージを社内で共有することのヒント
- 佐々木
社長の言葉が隅々に生きたまま伝わるには、何が必要だと思いますか?
- 井狩
ひとつは発信する言葉がシンプルで明解であること。そういう面でも優れた人だと思います。
社長自身もそれには気を遣っている人なんですね。難しい単語は使いませんし、ものすごくシンプルで明解な単語をわかりやすく、わかりやすいたとえを交えながら。
そのなかでCEOオフィスに何ができるかというと、社長が言わんとすることを関係者が正確に把握できるような場をいかに設けられるか、だと思うんですね。忙しくしている人なので。
一方で社員とのコミュニケーションもものすごく気を遣って大切にしていると思いますので、それをいかに途切らせず、継続していくかということではないかと思います。
- 佐々木
社員のみなさん、受け取る側はどうですか?
- 井狩
社員の受け取る側にとって、ひとつ大切だなと思うのは、間を橋渡しする中間管理職の存在と動き方です。そこのリーダーシップを固めることがすごく大切だと思います。もうひとつは、進み続ける力ですね。ちょっとよくなったとはいえ、それが日産自動車の本当の実力かどうかはまだわからない。
だから一番怖いのは「安心感」ですね。「まあ、いいじゃない。もうこれだけやったんだから」っていうような安心感がとっても危険だと思いますね。
今は経営に近いところにいるので、進み続けることの大切さがわかるんですけれども、オペレーションの立場になると「これ以上、背伸びさせないでよ」って思ってしまうんです。
そういう「安心」風土にならないようにと考えています。社長もそんな空気がまだ少しあるのだと、きっとわかっていると思うんです。安心感とか満足感みたいなものによって、「次なるチャレンジ精神」を殺してしまわないようにしていくことが大切かなと思います。そこで社員のモチベーションを維持しつつ、かつ、頑張る、チャレンジする、という気持ちを持ち続けてもらうためには、中間管理職の役割は大きいと思います。
- 佐々木
CEOオフィスからご覧になっていて、御社はこの1、2年、どんどん変化し続けていると思われますか? 入社された20年前から比較するとやっぱり変わりましたか?
- 井狩
はい、全然違いますね。ちゃんとした厳しさがある普通の会社になったのではないかなと思いますけれど。まだまだよくなれる会社だと思います。
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