ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第19回 井狩倫子さん

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井狩倫子さん
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ゴーン社長の単語選択パワー
- 佐々木
ところで、ゴーンさんのスピーチを何回かお聴きしていますが、非常に特徴のあるスピーチだなと、いつも思っています。
一年前の夏、わたしが委員長を務める「国際女性ビジネス会議」でスピーチされたときも、「単語の力」というのか、パワフルなコミュニケーション能力で、一つひとつのフレーズがすべてキャッチコピーのようにメッセージ力があるんですよね。その前に2回、違う機会でお話を伺った時も同じことを感じたのですが。
「国際女性ビジネス会議」では、ゴーン社長の隣に座らせていただいたので、スピーチ後に、「とってもパワフルなフレーズばかりで、そのメッセージ力、単語の選択力を、心から尊敬します。感激しました」とお伝えしたら、「講演原稿欲しいですか?」っておっしゃったので、「いただけるものなら、いただきます」と。「じゃ僕のサイン入りで」ってサインをしてくださって(笑)。
タイプアップしたスピーチ原稿に、たくさんご自分で手を加えられていたのですが、「僕もいろいろ加えるんだよ」と、その加筆した跡のある講演原稿にサインして、くださいました。
- 井狩
それはすごいですね。めったにないことではないかと思います。
- 佐々木
そうですか! じゃあ、額に入れて飾っておかなくては(笑)。
でも、本当に、単語一つひとつが、そしてそのつながり方がとても繊細で、言葉のパワーを強く感じます。その言葉の力が、ゴーンさんの大きな魅力の一つだと。
- 井狩
ゴーン社長は単語へのこだわりがかなりあるようです。重要なスピーチは、なるべく印象深いスピーチをしないといけないと、とくに言葉にこだわりますね。一方で、わかりやすくすることにも気を遣っています。ですからスピーチ・ライターはすごく大変です。わずか3日間ぐらいの間に、初校から10校ぐらいまで、書き直しがあるんです。
全部一からやり直しということはありませんが、社長の筆が少し入るだけで、「カルロス・ゴーンの言葉」になってしまうんです。
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