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松本大さん
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「個人」に支えられて
- 佐々木
お金についても、しっかりとらえたいですよね。イー・ウーマンでは、一人ひとりがものを考え、自分が体験したりしたことを分かち合うことが、実はお互いへの大きな貢献であり、一緒に前へ進む、ということなんだっていうことを日々体感して欲しい、と思っているのです。そんなことを自己訓練しながら、つまりは、よりよい生活を創りだして欲しい、と思っている。だから、マネーの分野も大切だと思っているんです。「投資とは何か」とか、きちんと伝えていかなくちゃいけないなと。
- 松本
やんなきゃいけないですね。やりましょう!
- 佐々木
たとえば商品を買うときに、それを買うことは、その会社の行為を支持していることですから、株を買っているのと同じだと思うんです。逆を言えば、株を買うということはそんなに特別なことでも、恐ろしいことでもなくて、その会社の商品を買っているのと同じ意味。そういったことを、わたし程度の人が理解できるような、経済のすごくベーシックなところから入っていって、みんなが自分で、本当の意味で、選んで物を買ったり、企業や社会の方向性を支援したりする、っていうことが始まるといいなと思っているんです。
- 松本
最近は、エンパワーメント(empowerment
たとえば、郵便貯金にお金を入れておくのはね、安全じゃないとは言わないけれど、国のためにならないと思うんです。日本は、資産が700兆円で、負債が1,500兆円。1年間の収入は40兆円、歳出は80兆円あるんですね。で、郵便局に貯金するとか国債を買うってことは、そこにお金を貸すということですよね。700万円の資産を持っていて、1,500万円の借金があって、月収40万円しかないのに毎月80万円使っちゃってる人にお金貸しますか? 貸さないですよね。ましてやその人が、自分の親だとか、自分にとって大切な人だったら、貸したくなるけど貸しちゃいけないんですよ。そうじゃなくて、それじゃおかしいから治しましょうと、ね。ちゃんと病気を治して、生活も正しましょう。それでちゃんと一緒にやって行きましょうとするのが本来の姿なんですね。その人を見捨てるんだったらいい。だから日本を捨てて海外へ行って暮らそうというのなら、このままでもいいけれども、そうじゃないのなら、現状をみんなで理解して、やるべきことをするべきだと思うんですね。そういうのを全然やっていないと思うんです。日本の今の政務次官も、官僚も、あとメディアも。本来、こういうことを啓蒙したり、情報を出したりして、みんなでわかっていこうと先導するのは、国の仕事ですよ。アメリカはそうしてる。それを日本はやらないんですよ、国とかメディアが。だからそれは我々というか、個人が気がついてまわりの人に伝えて、みんなで理解して直していかないとだめなんだ、という気持ちが最近とても強いですね。
- 佐々木
日本を見捨てる気にはまだならない?
- 松本
僕は、国粋主義者でもないんですが、愛国者だと思っていて。寿司とそばがないと生きていけないから(笑)。寿司とそばを食べられないとね、ちょっとつらいですからね。そういう話ってよくありませんか? 名前は明かしませんが、ある大変有名な、力のある金融界の日本人から、この年末年始にグリーティングカードをもらって。
「まだ日本見捨てられないんですか? いやになっちゃうよね。そろそろ逃げたいね」みたいなことを書かれているんです。世の中にはそういう気持ちがあって当然でしょうね。
7/10
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