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松本大さん
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留学で日本を改革する
- 松本
何も教えないか、ちゃんとしたことを教えるか、どちらかですね。教育問題はちょっと大きいですよね。「留学制度」をやらにゃと思っています。全国的にやるのは大変なんですけど。そうそう、僕自身は留学経験、ないんですよ。19歳まで本州すら出たことがなかったんですよ、旅行も含めて。19 歳で四国に行って阿波踊りを踊り、20歳で初めて海外旅行して、って感じなんですけどね。
- 佐々木
ほとんど一緒ですよ、わたしも19歳まで本州出たことなくて。でも19歳で初めて留学で9カ月間だけ留学して、これが人生唯一の海外生活。今思うと、豊かな体験をしました。
- 松本
留学っていうのはすごい。個人にとっても国にとっても。いろんなことを知るじゃないですか。多様な考えを。それで、日本はそういう面でいまだにダメでしょう。中国ってどんどん変わっている。今のままいけば、今のままいかなくても、日本がどんなにがんばっても追い越されてしまう。おそらく20 年経てば中国のほうが日本よりあらゆる面できっと上に行ってますよ。もともと文化がある国だし、あれだけ大勢の人間がいて、教育とかもかなりしっかりしている。それに何と言ってもリーダーシップがしっかりしているし。絶対に上いっちゃいますよ、あらゆる面で。で、いまだに日本はわかってないんですよ。ぼんやりしている。
どんな国でもそうなんですが、結局、体制っていうのは守られやすくなるわけなんです。楽だし。だから体制に流されたままでいると、日本のように老人寄りの政治になっちゃうんです。中国も放っておいたらそうなる。
で、何が起きているか。中国はこの10年から15年の間に、毎年5万人の大学生、優秀な人間5万人を留学させているんです。毎年5万人。5万人が海外に出るんですが、いずれ中国に帰ってくるわけです。すると、彼らは40歳ぐらいでアメリカのやり方に精通していて、アメリカの政府とかにも友だちもいる。そんな彼らのほとんどは、新しい中国のためにがんばって、働いているんです。すごいパワーなんです。ところが、日本にはそういうのはないわけです。
国際会議にもいないですよね、日本人は。いたって発言をしないし。留学するコストって安くて、日本だったら5万人を留学させるということは、大学生が40万人だとすると、8分の1ですよね。一学年あたり。仮に400万円コストかかるとして、5万人の400万円って2,000億円。橋を一つ作ることにくらべれば安いことですよ。橋一つ作るのをやめて、毎年5万人の大学生を留学させれば、これはすごい力になると思うんです。やるべきなんですよ。
日本はほとんど孤立してますよね。考えか方とか、いろんな意味において。ある国は“aggressive isolation”と形容されるけど、日本は“moderate isolation”じゃないかと思っています。それを直すには、そうやって人を海外に送り出すしかないと思うんですよ。小学校からの教育で全部やろうとすると、どうせまたそこに、また新しい全体主義も出てくるかもしれないし、お金もかかる。そう考えると、大学とかで留学っていう切り口でやるっていうのは、一つの手じゃないかなと思うんですけどね。しかも、実現可能。それで、学生を海外に出したら親元がすくので、今度は海外からも留学生を受け入れる。すると、文化交流というか、考え方が混ざっていいと思うんですけど。
9/10
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