ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第30回 林 文子さん

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ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 代表取締役社長
林 文子さん
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クレームから、セールスへ
- 林
父の葬儀の時なんですけど、知らない方がたくさんお焼香に見えるんですよ。とにかく人望が厚い。ご挨拶してみると、たとえば新聞の勧誘員の方がいらして、「実はあなたのお父さんにご馳走になった」なんて言うんです。父親はなにしろ人が好きでさびしんぼうで、誰でも家の中に上げちゃうの。
そういう血は受け継ぎました。わたしはさみしがり屋です。だから主人ともね、どんなに大げんかをしても顔を見たくないっていうのはないんですね。
それが幸いしたのはね。車っていうのは、クレーム商売っていいましてね。クレームがあるのは当たり前というくらい厳しいんですよ。
そしてなにしろ怒る人がいるんですね。「わたしはあなたの奥さんではないですよ」と言いたくなるほど怒る人がいるんですよ。物を叩いたり、車庫のシャッターを蹴っ飛ばしたり。そんな、人間の一番醜い姿を見ていると、なんとも切なくなってくるんですよ。するとなんともいとしい気持ちになる。わかるでしょう?
- 佐々木
はい。
- 林
「ここまでわたしに向かって自分をさらけ出しちゃう。なんて方なんだ。良くしてあげなきゃならない」と思ってしまうから、あらゆることが苦じゃないんですよ。変ですか、わたし? わかる? それ。怒っている人を冷静に見ていると、なんとかしてあげたいと思わない?
- 佐々木
お客さんだったら「この人をなんとかわたしの力で逆転させてあげたい」と思ったりしますよ。
- 林
やっぱりそうなんだ! そうなのよね? それはすごく仕事の力だし。今人間対応力がすごく大事でね、若い方たちに欠けているのはそこなんですよ。だからPCは上手だけど、人の中に入って行くのは駄目だし、人からクレームがつくことにものすごく弱いでしょう?
- 佐々木
そうですね。クレームを受けるときって、本当はチャンスですよね? だからクレームを受けるとき、わたしもお話を聞いているうちに「あなたの会社に仕事をもっとあげたい」と逆に言っていただけると、すごく満足度が高いですよね(笑)。
- 林
佐々木さんねぇ。わたしに、どうやってセールス力を身に付けたのかと聞かれたけれど、答えは「あなたの今、そのまま」なのよ。だから佐々木さんはトップセールスマンなんだわ。すごい!
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