ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第30回 林 文子さん

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ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 代表取締役社長
林 文子さん
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部下の叱り方
- 佐々木
もう、本当に林さんは、とにかく褒めるのがお上手で、お話していると、褒めていただけてうれしい限りなんですが、褒めることと、叱ることについてはどうですか?
- 林
これはもうはっきりします。わたし叱るのはすごいですよ。叱る時はその方のいいところを褒めることから始めます。
「ここがすばらしい、でもここが惜しい」と。また「悔しい」ともよく言いますね。「あなたを見ていると悔しいです、本当に悔しい」と。「こんなにいいところがあるのに、これがこんなだなんて、本当に悔しいね」。そうやって叱ります。たまに「親にも言われたことない」と、ムッとしてしまうわけね。「でも悔しいんで思わず言ってしまいました。ご理解いただけました?」と。くどいですね、わたしは(笑)。
- 佐々木
いや、すばらしい。
- 林
とことん言いますよ。叱ったことは、心を込めて申し上げたということで、あとはクヨクヨしませんし、もちろんいい気持ちがするものではないですからね。でも勝負を賭けて叱るので、かなりはっきり言いますよ。
- 佐々木
その方が「よくぞ言ってくれた」と奮起する、あるいは、その時わからなくても、1カ月以内くらいに奮起する方もいらっしゃると思うんですが、「なんだよ」と言ってどんどん駄目になってしまう人も、もしかすると中にはいらっしゃる?
- 林
わたしはあんまり駄目になっていく例には、お目にかかった記憶がないんです。思い込みが激しいのかもしれないですけど。一回こっきりじゃありませんし、フォローもしているから。
- 佐々木
じゃあ同じことを何回も?
- 林
よくなればすぐ、「この間思い切って申し上げちゃったけど、なんかすばらしいわね!」と言いますから。その時、子育てと一緒で答えを求めちゃ駄目ですよ。上司は孤独だと言うけど、まったくその通りなんですよ。
人間なんてすぐ言った後に反応なんてできないでしょ? ましてや40歳や50歳を過ぎると簡単に変わらないじゃないですか? でも上司は答えをすぐ求めたくなるんです。
だから継続なんですよ。タイミングを見ながら継続してお話ししているうちにね、お稽古事と一緒で。「もうできない、できない」と3年くらいやっていたら、ハッとうまくなっちゃうことってないですか? 部下の教育っていうのはそれに似ていると思う。
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