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ビジネストレーナー/株式会社ユニカルインターナショナル バイスプレジデント
ダーシー・アンダーソンさん
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失った信用はこうして取り戻す
- ダーシー
まず、11カ月間を販売・マーケティングの研修生として過ごしました。研修はかなり集中的なもので、アメリカ中を回り、15から20のトレーニング・セッションに出ました。パブリックスピーキングの仕方、プリゼンテーションの仕方、交渉のスキルなど、とてもお金のかかる、ハイレベルな管理者向けの研修でした。
それからフィールド・ワークです。コカ・コーラはちょうどダイエット・コークを新発売し、次はカフェインフリー・ブランドを出すところでした。どれだけ昔の話か、これでわかってしまいますが(笑)、わたしはカフェインフリーを紹介するチームに入り、全米を回ってテレビやラジオのCMをセットしたり、都市から都市を回って販促キャンペーンをしたり。その後、販売開発担当マネジャーとして、正式な社員になりました。
- 佐々木
どれくらいいたのですか?
- ダーシー
7年間です。
- 佐々木
何かそこでの経験やエピソードについて聞かせてください。たとえば、わたしの著書にも書いたことがあるのですが、あなたが顧客にどうやって信用を築いたか、アポイントメントをどうやって取ったか、というエピソードについてお話しいただけますか。
- ダーシー
当時のクライアントは、わたしの前任者が悪かったために、コカ・コーラに対して嫌悪感を抱いていました。新顔のわたしとは会ったこともないのに、わたしに対しても嫌悪感を持っていたのです。自分と前任者とを区別してもらえない状況で、どうやって自分を際立たせればいいのでしょう。
そこで、わたしはクライアントがいないとわかっている時間にわざと電話をしました。なぜなら、本当は話す用事はないからです。でも、とにかく留守電に「ダーシー・アンダーソンです。11時に電話します」とメッセージを残し、ちょうど11時にかけ直す。約束をして、約束を守る。これを、バイヤーやスーパーのマネジャー、購買担当ディレクターといった人たち25人に、繰り返し行いました。その結果、コカ・コーラ社の信用を再構築したわけです。この作戦はうまくいきました。
- 佐々木
どれくらいの期間、続けたんですか?
- ダーシー
かける人が多かったので6カ月くらいかかりました。でも、いったんわたしが約束を守る人物だとわかると、とても信頼してくれました。1〜2年後には、わたしからかけると言った電話をしそびれても、約束の時間に10分遅れることがあっても、「かまわない」と言ってくれるようになりました。いつもそうではないことをわかってくれていたから、いい関係を築くことができたんです。
信用を築くのは、ビジネスで成功するためには本当に大事なことですが、とても大変なことでもあるのですよね。
- 佐々木
ほかにエピソードはありますか? 女性であること、南部の州にいたことでは何か? コカ・コーラ社では男女平等だったんでしょうか?
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