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ビジネストレーナー/株式会社ユニカルインターナショナル バイスプレジデント
ダーシー・アンダーソンさん
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日本での売り込みは直接電話で
- 佐々木
米国でマーケティングに携わったり、ビジネストレーナーなどのお仕事をされてきた。その後日本に来て、今度は外国人女性として働き始めたわけですが、コカ・コーラ時代と比べて、難しさがあったのではないですか?
- ダーシー
そんなことはありませんでした。日本に来た時期もよかったんですね。80年代後半で、経済がちょうどピークに達しようとしているときでした。外国人のニーズも高かったので、わたしは「コールドコール」、つまり顧客に直接電話をかけて自分の売り込みをしたのです。日産やトヨタなど、名のある企業に片っ端から電話をして面接を申し込みました。
あとから、日本ではそういうことはするものじゃない、紹介が必要なのだと知りましたが、そのときは誰も教えてくれませんでしたから。でも、わたしはこの方法で仕事を得て、多くの会社で働きました。コカ・コーラで学んだ研修セミナー、プリゼンテーションスキル、パブリックスピーキングなど、何年もの蓄積を日本のビジネス習慣に適応するようにして、ビジネスパーソン専門のトレーナーになっていったわけです。
- 佐々木
わたしもあなたと一緒にたくさんのトレーニングをやってきましたよね。いまさらですが、その資料などを全部とっておけばよかったと後悔しているんですよ。
- ダーシー
ええ、本当にいろいろやりましたね。
- 佐々木
日本で働き始めてから、ご結婚したんですよね?
- ダーシー
ええ、今の夫にも日本で会ったわけです。結婚したのは来日から3年後でした。
- 佐々木
それから日本で妊娠なさいましたが、何か大変な経験をしたのではありませんか?
- ダーシー
それはあまりありません。わたしは出産ギリギリまで働きました。あなたもそうでしたよね。日本で子どもを2人出産しましたが、病院のベッドにパソコンを持ち込み、陣痛のときまで仕事をしていました。
でもクライアントの中で1社だけ、妊娠を告げたところ、困ったという顔をして、契約直前まできていた話を保留にされました。女性は子どもができたら仕事を辞めるものだから、そんなにすぐ辞める人を雇いたくないと思ったようでした。でも、わたしは自営業者としてユニカルやそのほかのクライアントと何年も仕事をしていましたから、みんな、続けさせてくれましたよね。
- 佐々木
わたしにもあなたの苦労はよくわかります。わたしも妊娠したとき、誰に何を話すかで悩みましたから。育児に関してはどうですか?
- ダーシー
非常にポジティブな経験が多いですね。うちの子は今、11歳と9歳ですが、数カ月おきに日本に戻ろうと言うんですよ。自分たちが持っている小さなワークブックで漢字を覚えようともしています。日本を離れたときは7歳と5歳で、そんなに覚えていないだろうと思うのですが、驚くほどよく覚えています。とてもいい思い出が多いようです。来年は日本に連れてくる予定です。
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