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石井苗子さん
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把握、処理、価値評価の3つの見地から整理してあげる
- 石井
まず何がストレスなのかをはっきり自分が知ってるかどうか。これが1番目。イライラの原因は何か。ストレスがどこにあるのかわからなくなってしまっている人がいるのね。ストレス状態を把握する能力がなくなっている。何から何までムカツク! というのを放っておくと不安症候群になって、一人になるのも不安で不安で、座っていることすら耐えられなくなる。こういう人にはストレスを把握することを助けてあげる。
把握できたら、次に処理。これが2番目。さあ、どうしましょうってことです。人によっては知らない間に処理できている方もいる。たとえば、自分の中に「気付き」があり、処理に向かってやさしく導いてくれる人がたまたまいたとか。こういう「処理」がうまくできない人にはストレスの処理方法を先の3つの要因ソーシャル「サポート」「キャピタル」「ネットワーク」を紹介しながら支援する。
3番目が価値評価。これがなかなかうまくいかない。ストレスを把握して、処理をしてという最初の2つをやってるうちに自分が嫌になってきちゃう人がいます。そんなことをする価値がわたしにあるのだろうかって。簡単に言うと「何でそんなことしなきゃいけないのよ」「あたしなんかどうせ死んだほうがいいのよ!」みたくなっちゃう。
1、2、3は順番ではないのよ。逆にいうと、元気な人は3から入る。わたしにとって何をすることが一番価値が高いか、ということを整理する。3から入る、1から入る、っていうのがあるの。これね、アントノスフキーっていう学者の学説なのよ。
最近「ヒーリングビジネス」が増えているのは、みんなが癒されたいって願っているってことだと思う。ストレスコントロール法を伝承していく専門スタッフもその分野で必要なんですよ。
- 佐々木
そうね。精神科医と、癒しビジネスの間のプロが欲しいってことですね。
- 石井
また仲介人だ(笑)! これまではね、「健康な人」の定義が「病気がない人」か「治った人」だったの。今はそうじゃなくて、どこまで治ればいいという目標をはっきり持つのも健康なのね。ストレスも同じで、わたしはここまでになりたいと決めるの。はっきりと目標を定めてここまでよくなればいい、と。
でも、その相談だけではお金をとれないし、病院でもそういう専門家をおきたいんだけど、お金を払ってまではっていうのがある。いま、精神科医でも別のカウンセラーによる「セカンドセラピー」をしてほしいっていうのがすごくあるらしいんです。わたしは十分やる気があるんだけど、「あなたが組織をつくってやってきなさいよ」って言われちゃうのよね。そんなこと言われても、死ぬまでにできるかどうか。
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