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中谷 彰宏さん
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ことばになった体験とのシナジー
- 佐々木
中谷さんのファンが世の中にいっぱいいると思うんですけど、そういう人たちは必ずしも中谷さんのような毎日を送っていないかもしれない。だから、中谷さんが、ご自身の体験を、1秒より短いフレームに割ってくような形で文字や言葉にしてくれることが、きっと、ものすごくおもしろいことなんでしょうね。
- 中谷
一種シナジーになってね、シンクロするんですよ。共振する。なんで僕たちが昔の曲を聞くと、「ああ懐かしいな」と思うのかというと、10代のころの曲を聞くとね、10代のころに出ていた成長ホルモンが蘇るからなんですよ。
- 佐々木
あ、思い出しました。あのね、この前、学生時代好きだったミュージシャンのコンサートに行ったんです。行く日は朝からウキウキしちゃって、トイレで鏡を見ると、自分の顔がなんか今日は輝いているんですよね(笑)。
- 中谷
それは成長ホルモンが出てるんです。
- 佐々木
そう。ドキドキしちゃって3日間ぐらい、気分がハイだったですよね(笑)。
- 中谷
ある意味では10代なんて、訳のわからない追い詰められた状況なんです。だから究極はね、0歳から9歳までに体験したこと、それから10代に体験したこと、そして20代に体験したことが、その人の一生のような気がしますね。
10 歳までっていうのは親の苦労、それからおじいちゃんおばあちゃんの苦労、この辺が身に付く。10代はね、友だちとの付合い、どういう友だちと会ってきたか、どういう人に会ってきたか、どういう本を読んできたか、映画を見たか、音楽聴いたか、っていうのがあって、20代はね、実際それを生身で試して、傷だらけになっていく。
だから、人間、少なくともね、おじいちゃんおばあちゃんがやってきた仕事と、お父さん、お母さんがやってきた仕事と、自分自身がやってきたこと、この3つの世界がその人のベースになるんです。
北野武さんが『Dolls』という映画を撮りました。これはおばあちゃんの娘義太夫の世界。お父さんはペンキ屋で職人の世界。武さんは20代芸人の世界。この義太夫の世界、職人の世界、芸人の世界で苦労してきたことが北野武の創造のすべての原点になっている。だから、この世界のものを扱ったらけた外れに強いんですよ。
僕は何かっていうと、父親は商売をやって、絵を描いていた。僕自身は20代は地獄のような組織の中でサラリーマン。おじいちゃんおばあちゃんは商売やりながら農業もやって、美術品を買い集めていたっていうベースがある。僕のDNAは多分それなんだろうなって思う。
- 佐々木
お母さんは働いてらっしゃいました?
- 中谷
母親のほうが働く世界なんですよ。大阪では、男性は買い物、食事、子どもを育てるのが仕事。働くのは女性の仕事。交際、近所付き合いは男性の仕事。だから育児、家事は完全に男性の仕事なんです。
- 佐々木
中谷さんご自身のご家庭は?
- 中谷
僕自身は独身で一人暮らしだから、家事はまったく抵抗ないです。家事は男の仕事だから。
- 佐々木
結婚しようと思いません?
- 中谷
突然結婚したくなったらする。それは流れに任せる。
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