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中谷 彰宏さん
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ハーモニーを学ぶダンス
- 佐々木
ボウリングで鍛えられた粘りを仕事でも実感することがあります?
- 中谷
それはわかりにくいですけどね。比較できないから。点数やタイムが出るものと出ないものがあるんですよね。ダンスなんかは点数が出ない世界。
だけど明らかに変わっていっているということは実感できる。今日はこれを学んだから、今まではそんなこと全然意識してなかったけど、これで自分がやっていることと、先生がやってることの差がすごく修正できたというのがわかる、とか。
- 佐々木
ダンスはリーダーシップの体感?
- 中谷
ダンスはね、相手とのハーモニーの勉強です。僕が特にやっているのは二人で踊るダンス。二人で踊るダンスっていうのは一人で踊るダンスよりもはるかに難しいんです。相手を感じないといけないんですよね。相手とのハーモニーや相手がどうしようとしたのかを感じる。ラテンダンスのように組まないダンスでもわかるんですよ。こっちへ動こうとした、あっちへ動こうとしたって。
- 佐々木
リーダーシップもあるでしょう?
- 中谷
男性の場合はリーダーシップです。男性がリードしなければいけないから、迷わないで動いていかないといけないです。迷わないで動きながら、実は男性が先に動くんじゃなくて女性を先に動かせる。リーダーシップとダンスの共通点は、どう動こうかをリードしてあげなきゃいけないということ、後から動くということなんです。
- 佐々木
母がソーシャルダンスをやってたんですけど、いい相手と組むと本当に気持ちよく踊らせてもらえると言ってましたね。
- 中谷
中途半端に習っている人が一緒に踊ると一番下手になるんです。相手はあわせるんじゃなくて、自分一人で踊ろうとするから。
- 佐々木
社会人と同じ(笑)。
- 中谷
なんでかというと、自分で動いちゃうんです。自分の頭の中で一人で踊っちゃうんです。ステップわかるから。
- 佐々木
習ったのをやろうと頑張っちゃうんですね。
- 中谷
僕も女性のステップを覚えていません。僕は女性にステップを教えられないです。ムーブメントで覚えているから。相手とのハーモニーで、ムーブメントで覚えているから、僕自身はステップは知らないんです。だから本(『3分でダンスが踊れた。』※)には一つもステップのことは書いてない、足型も入れてないです。
僕は先生と組んで女性の側をやると、女性のステップは全部踏めるんです。僕は女性の側を一つも習ってないけど、でもカラダのトーンの通し方だけ覚えているから、もう相手に委ねられるから踊れちゃうんです。
ダンスパーティでは、初めての子と踊ってあげるんですね。そうすると「初めてで全然できないんですけど」って言われるので、「あ、全然大丈夫」って言って踊るんです。すると、すごく踊れる子と全然だめな子がいるんです。
カラダのトーンが通せる、その人の重心がちゃんと自分の中にあってトーンが通せる、背骨がまっすぐしている、姿勢がいいっていう人は、ステップなんか全然知らなくてもいいんです。ところが、トーンが通せない、ビクビクして足下を見て、硬くなっちゃってる子っていうのは、これが難しい。個人差がすごくあるの。
でも、最初硬かった子が1分でほぐれてきて、2分目でなんとなく乗ってきて、3分目にはもう自分が踊ってる喜びに浸っているっていうのは、顔を見ていればわかる。ダンスは相手の顔は見ないんだけど、力が抜けてきた、というのはわかる。この子が今喜びをすごく感じ始めたってわかるのが、僕は楽しいんですね。
子どものときは、「この人は好き、この人は嫌い」ということを踊る前の直感的なもので決めてた。ルックスだけじゃないと思うけど。でも、今もやっぱりそうなんですね。「あ、この人とはあまり踊りたくないな」って。
※『3分でダンスが踊れた。』(著者:中谷彰宏 出版社:PHP研究所 本体価格:850円 ISBN:4-569-62414-6)
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