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江端貴子さん
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ドキュメント管理から、すべてを学ぶ
- 江端
私は「えっ? ドキュメント管理?」と思ったんですね。あくまでもプログラム開発をやりたいと思っていたので、「なぜプログラムを作らせてもらえないのですか?」と聞くと、「車を作る時に、エンジンの設計だけをやっても車は作れないというのと同じだ」と言われたのです。
「まず、車ができるプロセスを完全に理解することが必要だ。こうした全体のことが分からなければ、エンジンだけを作っても意味がない」と、この課長は言われるんですね。
- 佐々木
すばらしい課長ですね。そのとおり。
- 江端
「あなたはドキュメント管理のチームに配属になるけれど、ひとつの銀行システムを作るためのさまざまに分かれたチーム間の連絡を管理する部署になるので、銀行システムがどのようにして作り上げられていくかが一番分かる部署なんだ」という説明を受けました。当時はeメールもありませんでしたので、仕様変更などを含む業務連絡はすべて文書、いわゆる「連絡票」という紙で行われていたのです。
- 佐々木
確かに全体像が見えてこそ、細部の仕事がうまくできる、ということですものね。
- 江端
そのとおりなのですが、その当時は、「私はプログラムを組みたいからエンジニアとして入社したのに、なぜこんな紙の整理とコピーとりの作業をするんだ」と感じていたために、当時の課長の言葉のすばらしさを実感することができなかったのです。
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