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原田永幸さん
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マニュアルは最低限、それ以上が仕事
- 佐々木
マクドナルドというと、古くからハンバーガー大学などをおつくりになって非常に教育がシステム化されているという印象があるんです。女性起業家が珍しい時代、ユニカルを設立したからと取材を受けると「怖くないんですか?」「つぶれたらどうするんですか?」、なんて質問されたこともあるんですが、そのたびに、「もしつぶれたら、マクドナルドでアルバイトしたいです」と答えていたんですよ(笑)。
それはね、なにもかも失ったら、私はマニュアルのしっかりしていて、社員教育機関として優れた企業に入って学んでみたい、と思ったからです。楽天的な私は、私が働いたら、たぶん何ヶ月かで店長になれるだろうから楽しそうだし、マニュアル化というか、システマティックな人材教育を見てみたいと。そんなマニュアルのしっかりした人材教育と、いま原田さんがおっしゃってる10人のワークショップというのが合体すると、とてもパワフルでしょうね。
- 原田
もちろん、そうですよ。
- 佐々木
でも日本のマクドナルドの中には、まだ本当のグローバルなマクドナルド・インターナショナルが持っている財産がフル活用されていなかった。
- 原田
そういった部分もたくさんあります。去年からやっと、グローバルな教育プログラムを取り入れようと動いてますし、レストランのオペレーションノウハウなども取り入れてます。商品プランについてもです。
商品で言えば、ひとつの商品を企画するにはいろんなノウハウがあるのですが、こういったところにもグローバルのプロセスを取り入れてます。リサーチ然り、ブランド政策、広告宣伝もグローバルでの共通のブランド資産は取り入れるようにしてます。店舗開発のノウハウ、商圏分析、ここでも取り入れました。これら全ては、去年から始まったのです。
- 佐々木
去年から。
- 原田
教育が行き届いてる、マニュアルがしっかりしてるとよく言われますが、マニュアルは最低でも知らなければならない知識なのです。マニュアルで人を作るのではありません。マニュアルは最低限の手引き書に過ぎない、それ以上が仕事なのです。
それ以上のところに、どのように個人個人が一生懸命考えて、創造性を高めていくか。それが企業のエネルギーとなるのです。そこを今、作ろうとしてるのです。
上から指示どおり、言われたとおりやるのではなくて、お客様に一番近いところにいる店長がモノを考え、それと会社の戦略を一致させるのです。そしてそれを店長は日々の行動に反映し、本社も一生懸命にサポートする。こういう企業文化にして、若い人がもっと伸びる環境にしていかないといけない、そう思います。
したがって、今までより早く店長になれるような教育、キャリア・ディベロップメント、人事制度、こういうものをどれだけ作れるかが、会社の勝負どころですね。そこが私の課題です。
10/20
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