ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第46回 原田永幸さん

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原田永幸さん
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厳しかった両親
- 原田
それと、あとから聞いたのですが、思春期の時に父親と喧嘩をして乗り越えるっていう経験をしない息子は、親父を乗り越えられないらしいですね。私の場合、親父はものすごく厳しかったから、口答えなどできませんでした。もう、親に暴力なんてとんでもない。父親に言われたら絶対服従。
しかし、思春期になると、ものすごい意見がぶつかってきます。「分かった。ミュージシャンになるから勘当してくれ」、と突然言ったんですよ(笑)。
- 佐々木
「勘当してくれ」って言ったんですか?(笑)
- 原田
そうしたら、「うちは5人も子どもがいるから、1人くらいできそこなってもどうってことない」、「じゃ、出て行け」、と言うので、ドラム1個持って家出したんです。そうしたら、やはりさすが親ですね。3日間探して、私がバンドで演奏してる時に演奏会場に入ってきました。そういう親父との対立もありました。
またおふくろは優しかったり、厳しかったりと、父親にできない教育がありますね。私の自転車を盗んだ同じ歳の男の子に、私が警察で怒りをぶつけようとした時、うちのおふくろが羊羹を持って部屋に入ってきて、その子をなぐさめるわけですよ。いろいろな事情があってやったことだと。その子の気持ちを立ち直らせるために叱るのではなく、羊羹を持ってきて「がんばりなさいね」、そう励ますんです。
その一方では、私が喧嘩して負けて帰って来ようものなら、すごく怒られました。ご飯を食べさせてくれません。絶対に喧嘩はするんじゃない。でも自分が絶対に正しい、そう思ったらやれ、そしてやるからには負けるな、それが母親の教育だったんです。
本当にご飯を食べさせてくれないので、喧嘩したら勝つか、もし負けたら隠れるか隠すかです。1回負けたのがバレまして……、「連れて来て、もう1回やり直せ」、そう言ってやり直させられたことがありますよ。
- 佐々木
喧嘩を。
- 原田
親の目の前でやり返せ、そう言われました。そういうところは本当に厳しかったですね。
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