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玉塚元一さん
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アドレナリン500%! 京大、東大の同期の言っていることがわからない
- 佐々木
とにかく就職してから勉強が始まったんですね。
- 玉塚
「一度徹底的に勉強しないと大変なことになるな」って思った。就職した時に、京大とか東大の同期が言っている言葉がわからなかったんですよ。もうコンチクショウ、ってもので。
- 佐々木
たとえばどんなことが?
- 玉塚
今でも覚えているけど、工場に配属になったんです。で、同期が12人くらい一緒になって、いろんな講義を受けるんです。その1回目だったと思うんですが、説明を受けると、彼らがバンバン質問したり意見を言ったりするわけですよ。「これ、どういうことですか」とか。僕はホント、何にも言えなくて、みんなが質問する意味もわからなくて、コンチクショウと思ったんですね。
- 佐々木
「やばいな」と思った瞬間、それがコンチクショウになった。
- 玉塚
もうアドレナリンが500%出てきて、それでそこから何をやったかというと、そこは工場の生産管理の職場だったんですよ。化学式なんてH2Oぐらいしかわからなかった。だからとにかく現場の人たちに聞いてまわりましたね。
人なつっこいほうだから、年配の方とはすぐ仲良くなる。だからいろいろと教えてもらったんです。しつこくわからないことは全部聞いた。そうしたら2年の任期中に、誰よりも詳しくなっていた。
- 佐々木
素晴らしいですね。
- 玉塚
そういうことって大事だと思いません?
- 佐々木
そう思います。やっぱり、自分はダメだと思って勉強を続けるっていう姿勢と行動力。
- 玉塚
大学院の時もそうだったんですが、「俺、このこと勉強してるから」とかいってハスに構えているよりも、「ごめんなさい」してスポンジのように吸収したほうが、たぶん力つくと思います。
- 佐々木
「わあ、ダメだ」って思ったときにどっちに転ぶかですもんね。
- 玉塚
そうそう。
- 佐々木
気の持ちようっていうか、その瞬間の決断が……。
- 玉塚
僕は、何にもわからないというのは、それはそれでいいことだと思った。正直に「教えてください」って言って、いろいろなことを毎日毎日、教えてもらった。
わからないことがあったら、その都度聞いてやっていくということが、良かった。ある日、僕がすごいなあと思っていた同期から反対に「君の、あれにはびっくりした」とか言われて。とても優秀な同期だったんですが、2年経ったら僕のほうがいろんなことを知ってたんです。そのへんから少しずつ自信がついてきた。
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