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進藤奈邦子さん
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世界中の617人の応募者から、一人だけ選ばれる闘い
- 佐々木
ポジション獲得までの1年が大変だったっていうのはどういう意味で大変だった?
- 進藤
まずね、実力だけじゃ取れないんですよ。もちろん実力もなければいけないのだけれども、今国連の中の外交官扱いをしてもらえるポストっていうのはすごく人気が高いわけです。保証もすごくいいし、サラリーもかなりいいですね。
で、ステータスもあるでしょ。だからとても人気がある。私のポストには、617人応募があったんだって。
- 佐々木
一つのポストに?
- 進藤
そう。
- 佐々木
勝ち取ったんだ。
- 進藤
今や、エレクトロニック・アプリケーションだから、新規ポジションを狙っている人はもう自分の略歴書を作っておいて、ボタン一つでいつでも送信できるようにしているわけ。それで600人以上の人が来るわけですよ。
- 佐々木
そうか。国連で働きたい人たちは常に応募できる体制にしておいて、人材募集の告知を探している。
- 進藤
で、一次選考で6人にしぼられて、最後に3人残ったんだけれど、その3人のバトルはすごいわけ。私はもちろん日本政府の応援ももらったし、アメリカの応援ももらったし、それで勝てたっていうこと。
あとはもう、ヨーロッパとの闘いもあるし。今回はヨーロッパに支援を受けている人とカナダ政府からの人と、日米から支援を受けている私との闘いだったようです。
- 佐々木
面白い話になってきたのですが、そもそも実力としては同じという実力というのはどういう意味ですか。
- 進藤
実力っていうのは経験とそれから業績ですよね。科学者なので。論文の数と、国際機関に対してどれだけ貢献をしてきたか。で、この2〜3年でそのプロジェクトに関してどういう貢献をしてきたか。
- 佐々木
プロジェクトに関してどういう貢献をしてきたか、っていう評価はすごく難しそう。
- 進藤
そうそう。他の二人のうちもう一人とは、ずっと一緒に仕事してきたんです。で、もう1人は、インタレスト・フォルダーていうんだけれども、そのポジションを呈示してきた人が入れたかった人だったの。その3人の三つ巴だったの。
- 佐々木
インタレスト・フォルダーってどういう意味?
- 進藤
そのプログラムの責任者が自分の国から引っ張ってきたい人のために新しくポジションを作った、ということなのね。こういうポジションの人が自分のプログラムには必要ですので、是非ポジションを作ってください、って言って。でも国連の場合は、公募しなくちゃいけないから。そこでまあ、ものすごい闘いが。
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