ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第59回 野口 健さん

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野口 健さん
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富士山頂上の自動販売機
- 佐々木
ところで富士山って、そんなにゴミがいっぱいあるんですか?
- 野口
僕は最初、富士山がそんなに汚いとは思ってなかったんですよ。
- 佐々木
私も1987年に、ニュースステーションの取材で、世界最年長の女性登山家という92歳のアメリカ人の女性でと一緒に富士山に登りました。
- 野口
当時、汚かったですか?
- 佐々木
観光地のようなゴミの落ち方はしてましたけど、そんなに汚いと思わなかったんですが。
- 野口
夏は登山ルートにロープを張ってね、その間しか歩けないじゃないですか。
- 佐々木
決まったところを行きますからね。
- 野口
僕は、富士山はあまり汚いという印象はなかったんですよ。僕の富士山のイメージは、「雪と氷、誰もいない厳しい世界」なんです。で、エベレストに行って、日本のゴミがいっぱい出てきた、と。そしたら海外の、ヨーロッパの登山家が、「お前ら日本人は、ヒマラヤをマウントフジにするのか?」って言うから、「はい?」と思ってね。「いや、富士山は汚くない」と言ったら、彼らは「そんなことない」と。実は世界的に富士山が汚いってことは有名になっている。それから帰ってきて、富士山に登ったんです。僕は、ゴミがあって汚いっていうことよりも、山頂に登った瞬間に自動販売機がズラーッっとあることに驚いた。
- 佐々木
そう、そう。たしかに。本当に登った瞬間、自然界ではなく、ただの観光地っていう感じですよね。
- 野口
たとえば、オーストラリアのエアーズロックね。こんな、ちっちゃな岩ですよね。観光地じゃないですか。あれ、山頂に自動販売機があったら、みんなびっくりしますよ。それが、富士山にはそういうのがドーンと置いてある。だからゴミもあったんですけどね、ゴミがあって汚いっていうよりも、あまりにも人工物が多すぎて、それに対する驚きがまず1つ。
- 佐々木
そうそう。
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