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川合アユムさん
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無理のない生き方
- 佐々木
たまたま先日見たテレビが大学生が中国に研修に行くっていう番組だったんです。中国に行くと、中学出たての女の子が「工場に就職したい」と言って、遠い地方から2カ月かかって歩いて面接に来る。
2カ月歩いて来た上に、朝行列して、面接を受ける。時給40円かで残業希望者を募ると、全員手を挙げて、夜10時まで毎日働いている。それで、1カ月で親の給料の何カ月分も働くんだそうです。10畳ぐらいのところに12人くらいが2段ベッドで生活をする。自分のスペースはベッドの上のみ。
わたし、その映像見た時に、以前、香港の難民キャンプで「この環境はひどいです」とリポートしたことを思い出した。まったく同じ部屋の作りなんです。そんな中国の女性たちが、みんなすごくイキイキ仕事しているの。
日本から、有名私立大学の男の子とかが行って仕事の体験をするんですけど、「あなたは親のお金で大学行って、卒業後にやりたいことが何もないってどういうこと?」って彼たちに聞かれる。
わたしも15歳からずっとアルバイトしながらきたから、いつ会社がなくなっても、食べるものがなくなってもまあ、稼いで生活していけるだろう、っていう気持ちもあるし、だからこそ毎日仕事ができる喜びみたいなものがある。
自分で作って、進んでいける喜びみたいなものがあるから、今日まで来てるんです。そう思うと、自分の子どもの将来も含めて、どう育てたらよいのか。そんなハングリー精神は、もしかしたらもう生まれないのかもしれない。川合さんからすれば、この環境をどういうふうに思われますか?
- 川合
僕はewomanサーベイでも、少しおかしな意見を言ってたと思うんですけど、働かないでいい社会にしたい。できると思うし、本当にそうなって行くと思う。ロボット化できる部分はロボットに。
苦しい労働や社会インフラで最低限維持しなければならない仕事なんていうのは本気でロボット化していくこと考えたらできるんじゃないかと思うんです。そこで、働くことの意味をもうちょっと踏み込んで。
何かね、僕いちばん最初にショックだったのは、高校時代の友だちの同窓会ですね。僕は1年生の時と、2回目の1年生の時と、つまり、3種類ぐらいの同窓会にみんなが呼んでくれるわけです(笑)。意外と、「今、川合が何しとる」「一番落ちこぼれやった奴が今はこんなになっとる」っていうんで呼んでくれるんですけど、行ったら悲しいぐらいしょぼくれてるわけですよ。
禿げてるんもおって、馬鹿話はできるけれども人生諦めきってる人も居る。すごく切なくってですね、「そこまでして無理に働かんでええのに、そんな無理して生きやんでええのに」って思うんですよ。
無理しない生き方ってあると思うし、そもそも人間そんな苦労するために生まれたんじゃないと思うんでね。
お金の奴隷になってしまったり、変な観念にとらわれたりするよりは、もっと自然に生きる方法だってあると思うんですよね。
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