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大沢 真知子さん
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数字がインパクトを与える
- 佐々木
私は、女性活用が絶対に企業価値向上や経済活性に役立つと、と思っているんだけれど、それを証明するための数字が欲しいんですよね。何か、具体的にこういう数値が上がった、というのはありますか?
- 大沢
そうですね。全体的な大きなサーベイっていうのかな、それはやっぱり経済産業省と21世紀職業財団の2つが大きいと思うんですけれど。
- 佐々木
アメリカでは90年前半に女性起業家の団体が、2000年には中小企業の半分以上が女性経営者になるという数字を出したり、女性経営者がこれだけ雇用を増やしたなどの数値を出していました。すごく面白かったのは、女性経営者が雇用している雇用者数が、Fortune 500が地球上で雇用しているよりも多い、っていうのが出たんですよ。私いまだに信じられないんだけれど、そういうデータが出るとパワーを感じますよね。
それに96年にOECDが、Female Entrepreneurshipという会議をやったんです。日本から4人出させてもらって、私も出させてもらったんですね。そのときにやっぱり、世界中で女性起業家が、アントレプレナーシップがどれだけ経済にインパクトを与えるかっていうのは、OECDがやっているにも関わらず、データを持っているのは世界中でアメリカだけでした。
ほとんどの国は、増えていると思う、なんとなく活気がある、というのはあるんだけれど、それは何パーセントです、とか、雇用はこれだけ増えました、というのが、証明できないのね。すごく歯がゆい思いをしました。
- 大沢
そうですね。重要ですよね、数字で見ることによって……。
- 佐々木
一番変わらなきゃいけない、経済界の核になっている人たちの意識を変えさせるには、男女平等とか何とかって言うより、企業価値が上がるとか売り上げが上がるとか、株価が上がりますというほうが、ちょっと失礼な言い方だけれど、社員が満足します、というよりは、もっと強いじゃないですか。
- 大沢
そうですね。
- 佐々木
だから数字があるといいな、っていつも思うんです。
- 大沢
そうですね。その2つの報告書が出ただけでも私はすごい、って思いました。それまでは、コストがかかるから女性を活用しないと、コストの面でまずはねられていたでしょう。でも実際にデータで見ると、女性の正社員比率が高い企業の利益率が統計的に高かったですね。
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