ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第64回 木村 佳子さん

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木村 佳子さん
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明日はどうする、私はどうなるのって、必死に考えた
- 佐々木
私は中学、高校、大学でさえ、仕事のことなど何も考えないで、過ごしていた。
- 木村
それはお幸せだったんですよ。私なんかいつも、明日どうする、明日私はどうなるのって。なんとか座る椅子を見つけないと、って思っていた。まず、普通の男の人の嫁には無理だろうなって思って。サラリーマンの人はまず、高校中退して大検取って、なんて聞いただけで変な女だと思うだろうし、って。
- 佐々木
結構、悲観的なところから始まりながら、選択していったんですね。
- 木村
とにかく食べていく。親に迷惑だけはかけちゃいけないと思ったんで、なんとかして、継続できることをしたいと。それでまずカメラマンになりたいと思ったんですよ。
- 佐々木
カメラマン?
- 木村
そう。デザイナーがダメならカメラはどうかって。で、あこがれて、アサヒカメラだとかいっぱい買って、カメラマンの事務所に行こうと思ったんですよ。女性でもカメラマンが1号2号が出始めていたから、これはいいんじゃないか、って思ったけれど。
なんか、ボーヤくんみたいにして、先生カメラマンの荷物をかついで、どこでも行かなきゃいけないらしいんですよ。そうすると、カメラって重いじゃないですか。それで、なんか食えないみたいなんですね。そうすると、これはまずいぞ、って思って。これは絶対カメラマンは務まらないな、ってね。
で、いろいろ研究して、まあ最終的にはライターがいい。ライターでも、専門分野を持たないと、明日はワイドショー、今日は旅館の取材、今日は女優さんの取材とかなっちゃうので、じゃあなんのライターがいいか、パチンコライター、競馬ライター、商売繁盛ライター、いろいろ名前をつけたんですよ。株ライター、マネーライター、何がいいだろう、証券チャレンジャーとかいっぱい考えて……。
- 佐々木
そこがすごいですよね。これはいい、これはダメってちゃんと考えている。そして名前までつけてしまう。ただ、質問なんですが、武蔵美にいながら、カメラは想像がつきますが、なぜ、ライターがいい、ということになったんですか? 文章を書くのは自信があった?
- 木村
デザインってずばり、企業分析やマーケティングが必要なんですよ。こういう商品は誰が買うんだろう? どういう素材がいいんだろう? コストはどれくらいが適正か? とか。で、企画書を書くんです。デザインのコンセプトからなにから説明文をまず書く。文章力が必要です。今の仕事と非常にシンクロしています。
- 佐々木
へえ。それでデザイナーとしても文章力も磨いていた。
- 木村
そう。それで消去法で、マネーライターが1番いいだろう、株証券チャレンジャーが1番いいと思って、大学当時、ちょこちょこっといろいろな仕事をしていたので、年賀状に「私は株式投資のライターになりたいと思いますので株の企画があったらどうぞ私を思い出してくださいね!」って書いたわけです。
10/27
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