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木村 佳子さん
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勝負運あって、武蔵野美術大学に
- 佐々木
学生時代に、普通の事務員になろう、じゃないけれど、そういう考えはなかったんですか? 高校は?
- 木村
高校は1年で中退して、大検、つまり大学入学資格試験で武蔵野美術大学に行ったんです。デザイナーだと男女関係なく仕事できるかな、と思って、それで基礎デザイン科っていうところに入ったんですけれども……。
- 佐々木
武蔵美なんて、すごいじゃないですか!
- 木村
いやあ、入ったとたんに、綺羅星のごとく、才能のある、もうデザイナーとしてやっていける、すごい人がいっぱい、日本全国から集まっているんですよ。競争率20倍とか、勝ち抜いた人ばかりだから。
- 佐々木
だって、木村さんも勝ち抜いたんでしょう。
- 木村
私はそのときね、たまたま勝負運があっただけで。それで、もうかなわないなあ、ってすぐわかりましたよ。天才少女・少年ばかりで、これはかなわんわあ、と。
こんな人たちと一生涯競争していくのかと思うと、もうコンセプトからテクニカルから、「わあ、かないません、これは失礼しました」です。もう、こ〜んなレベルの差なんですよ。
それで、だいたいみなさん、お金持ちの子女だったので、ああ、やっぱり美術を極められる人って、金銭的なサポートもないとねえ。学費がすごく高いんですよ、武蔵美は。元取らないと、って思ったんですけれど、デザイナーになるのはまず無理だな、って。
当時、優秀だった人はみんな華々しくやっていますよ。同級生なんかでも、優秀な人はヤマハのシステムキッチンを開発する部門にデザイナーとして契約が決まったとか。
9/27
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