ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第65回 竹田 圭吾さん

65 |
竹田 圭吾さん
|
|
|
状況をビジュアライズするんです
- 佐々木
そうですね。取材することを、cover a story って言うけれど、確かに日本の記者の感覚はストーリーじゃないんですね、きっと。竹田さんの中では、日本の記者たちはストーリーじゃなくて、何を書いているんでしょうか。事実を並べている?
- 竹田
一番違うのは、構成の仕方みたいなところですよね。日本の週刊誌の記事は、ファクト型というか。新聞のようなストレートな取材のファクトではないんですけれど、何が書いてあるのかが大事なんですよ。
『TIME』や『Newsweek』の場合は、どう書いてあるかというのがすごく大事。何が、というのと同じくらい大事。日本の週刊誌の記事というのは、構成とかはある意味どうでもいいわけですよ。どちらがいいとか悪いとかの問題じゃなくて。とにかく面白いことを並べる。どういう順番だろうが、それはあまり気にならない。
- 佐々木
確かに。だから『Newsweek』は、ただ1週間のニュースが集まっている雑誌と違って、読み物になっているということですね。
- 竹田
ストーリーとして成り立たないと、『Newsweek』や『TIME』はダメだよ、というところですね。
『Newsweek』のエディターにたまに東京に来てもらって、レクチャーみたいなのをしてもらったりするんですけれど、雑誌の記者というのは、たとえば記者会見で聞く質問が違うって言うんです。
外国でたとえば、偉い人が首脳会談をした。新聞記者は何を話したのかって聞くんですけれど、別の記者は、2人が話しているときにテーブルの上にどんなフルーツが載っていて、2人がそれぞれどんな飲み物をどうやって飲んだかというのを聞く。彼らに言わせると、その質問を聞いて、そいつは雑誌の記者だってすぐにわかる、と。
だからすごくドライなファクトだけではなくって、シチュエーションまで全部含めた形で。テレビにはかなわないけれど、読んだ人が状況とか人柄とかをビジュアライズできるような形で記事を提供しなければいけない、ということです。
20/26
|
 |

|
|