ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第65回 竹田 圭吾さん

65 |
竹田 圭吾さん
|
|
|
五感に訴える表現を使え
- 佐々木
それは、100%賛同しますね。
- 竹田
いいか悪いかはまた別だと思うんですよ。ファクトをストレートに伝えてもらったほうがいいというニーズもあると思いますよ。
- 佐々木
でも結局、ニュースもコミュニケーションですから、どこで何々の戦争があって、どっちが撃ったの、何人死んだとかっていう、それもひとつのファクトかもしれないけれども、やっぱりそのときには、大雨が降っていたのか、風がどんなふうに吹いていたのか、砂ぼこりだったのか、子どもたちが遊んでいるところで起きたのか、みたいな、そういった現場の空気って、伝えてほしい。本来、重要なはずです。
伺っているうちに、『Newsweek』の面白さもわかりましたけれど、私たちイー・ウーマンも、そういうことを気にしているつもりなんです。私もいつも言っているんです。でももっと平たく言えば、普通の人の生活の中でも、コミュニケーションをするときにすごく大事にしなきゃいけないことですよね。
- 竹田
そうですね。
- 佐々木
相手がこれを言ったとかあれを言ったとか、ここに紙があったじゃなくって、どう置いたかとか、どんな顔をしてそれを話したとか。
- 竹田
なんか、間接的なものを通したコミュニケーションというのは、みんなそうじゃないですか、ハンディキャップを持ってますよね。会っていれば、「ああ、佐々木さん、実は怒っているんだな」というのがわかるんですけれど、手紙やメールではそういうものは伝わらないですよね。
いま、編集長というか、自分の立場で指示を出すときには、「五感に訴える表現を使え」と言うんです。
風が吹いていたら、寒かったのか暖かかったのか、その食べ物は熱いのか冷たいのか、おいしいのかおいしくないのか、色はどうなんだ、音はそのときどういうふうに聞こえていたのか。テロの記事であれ、ワインの記事であれ、同じ。どんな臭いがしたのか、火薬の臭いがしたのか、瓦礫(がれき)の臭いが漂っていたのか、腐臭が漂っていたのか。
いろいろな人がビジュアライズする表現を使わないと、伝わらないことっていうのはたくさんある。
21/26
|
 |

|
|